干し椎茸の戻し汁で免疫力アップ!子供の風邪予防でできること

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干し椎茸(乾燥椎茸)が苦手な子供って意外に多いのではないでしょうか? 実はうちの長男もその一人。干し椎茸を薄くスライスしたものが、「足がいっぱいついてる虫」に見えて仕方がないらしいのです……。さらに出汁の匂いや食感も苦手なので、ちらし寿司や炊き込みご飯のときはいつもつらそうにしています(笑)

長男が苦手なので、ついつい食卓の登場回数が少なくなっている干し椎茸。たまに戻して使うときも、具だけ(椎茸本体だけ)を使い、戻し汁を捨ててしまうこともありました。しかし、この戻し汁には、免疫力をアップさせる効果がたっぷり含まれているのだとか! うわ~、今までもったいないことをしてました! これから寒くなる季節、風邪やインフルエンザのために免疫力は高めておきたいですよね。 干し椎茸の戻し汁の秘密に迫ってみました。

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干し椎茸の戻し汁が風邪予防によい理由

健康によい食べ物として、よく挙げられているきのこ類。最近は乳酸菌発酵させたヨーグルトや漬物など体によい菌を取り入れる「菌活」でも、きのこ類は注目されていますよね。

干し椎茸の原料である椎茸には、リンパ球やナチュラルキラー細胞(NK細胞)などの活性力を高める働きがあるというベータグルカンの一種「レンチナン」が含まれています。レンチナンは、がん細胞などの腫瘍細胞を攻撃する「抗腫瘍効果」もあり、臨床の現場でも使われていたそう。そのほか、エリタデニン、グアニル酸など体の調子を整える働きがある成分も含まれています。乾燥させると香りがグンとアップするように、これらの成分の中にも、干し椎茸にすることで増えるものもあるそうですよ。

また、干し椎茸は生の椎茸と比べて、ビタミンDが豊富に含まれています。ビタミンDって、ビタミンCやEと比べると、いまいちマイナーというかピンとこない成分ですが、カルシウムの吸収率を高める働きがあるビタミン。それだけでなく、最近はインフルエンザ予防にも効果があることがわかっているのだとか。

2008 年に、東京慈恵会医科大学の浦島充佳先生が小中学生を対象に臨床試験を実施。ビタミンDを3~4か月間摂取したグループと、摂取しないグループに分けて、インフルエンザの罹患率を調べたところ、ビタミンDを摂取しなかったグループの発症率18.6%だったのに、摂取したグループは10.8%。摂取したグループは、インフルエンザの発症リスクが約半分にまで抑えられそうです。

でも、ビタミンDは脂に溶ける脂溶性ビタミンなので、水で戻しても、戻し汁には溶けることは少ないとされています。戻した椎茸は、油で調理すると体に吸収されやすいとか。バター炒めとか、天ぷらなど、おいしそうですね。

インフル予防にもなるビタミンDをアップさせるには

ビタミンDは干し椎茸にも含まれていますが、日光に当てるとよりビタミンDの含有量がアップします。干し椎茸に含まれるエリゴステロールという成分が、紫外線によってビタミンDに変化するためです。干ししいたけのひだの部分を上にして、1~2時間日光に当てればOK! 干し椎茸だけでなく、生の椎茸も1~2時間日光に当てれば、ビタミンDが増えるそうです。夕食に椎茸を使う場合、午後に外に出しておけばよさそうですね。

ひだの部分を上にして日光に当てるのがポイント

干し椎茸の戻し汁を煎じて飲む

栄養たっぷりの干し椎茸の戻し汁。煮物やちらし寿司の具などに使う時、残ったもどし汁をどうしようか迷うところですが、煎じて飲むという方法もあります。捨てるのはもったいないので、ぜひ活用してみましょう。

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■干し椎茸のせんじ汁の作り方

<材料>
・干し椎茸(直径4センチのものが8枚くらい)
・水 1リットル

<作り方>
1.干し椎茸を水に漬ける。

早く椎茸を戻すために、「ぬるま湯に漬ける」「砂糖をひとつまみ入れる」「レンジで加熱する」といった方法が紹介されていますが、有効成分をしっかり出すためには、じっくりと長時間、水に漬けた方がいいようです。水もぬるま湯ではなく、冷たい水がよいとのこと。6~12時間、冷蔵庫などに入れてじっくり戻します。

直径4センチのものが8個、とされていますが、サイズが小さい干し椎茸なので少し多めに使いました。どんこなどの高級品ではなくけっこう安い干し椎茸です

2.中火にかける

鍋に椎茸と戻し汁を入れて、最初は中火で煮出します。沸騰したら、ごく弱火にして煎じます。煮立ってくると、中心部分にアクのような泡が出てきますが、そのままの煮出します。台所には椎茸特有の香りが漂ってきました。椎茸が苦手な長男は、この時点でさりげなく台所から出ていきます……。

今回は土鍋を使いましたが、普通の鍋でも大丈夫です

3.水の量が半分になるまで加熱する

だいたい、水の量が半分に減ったらできあがりです。1回50~100㏄を、1日数回に分けて飲むといいそうです。

できあがり!!

パッと見た目は、濃い麦茶か薄いコーヒーのような……??

一体、どんな味? 椎茸のせんじ汁を飲んでみる

さあ、早速飲んでみましょう。香りは、普通のしいたけのお吸い物のような感じ。干し椎茸を使った茶碗蒸しの匂いにも似てますね。

口に含むと、ウン、何のことはない、濃い椎茸の出汁の味です。せんじ汁というと、苦くてニオイが強烈と言うイメージがありますが、これはそんなことはありません。でも、干し椎茸の独特の風味が苦手な人の場合、ちょっと飲むのがきついかも。

飲みにくい場合は、塩を1つまみほど加えると、お吸い物風になって飲みやすいです(でも、苦手な人は苦手かも…)。お吸い物や煮物を作っても、椎茸の戻し汁が余った場合、煮詰めてせんじ汁として飲めば、椎茸の有効成分をしっかり摂ることができますよ!

まとめ

椎茸だけでなく、きのこ類には免疫力をアップさせる働きがあります。しいたけはあまり好きではないという子供も多いかと思いますが、風味があまり気にならない甘露煮やミートソースにするなどして少しずつでも取り入れたいですよね。干し椎茸は保存がきくので、ストックしておくと便利に使えそうです。

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コメント

  1. くるん より:

    勇者な分析ありがとうございます
    全部お飲みになったのでしょうか
    機会があれば知りたいです

    • keroko より:

      こんにちは。コメントありがとうございます。
      かなり濃~い椎茸の出汁という感じです。
      椎茸の出汁の味が好きなら、おいしく飲めると思います。
      後味がかなり「椎茸」なので、苦手な方はきつい……かも!?