お正月の定番料理といったら、黒豆に昆布巻き、かずのこに栗きんとん、お煮しめなどの「おせち料理」。材料の買い出しに行ったり(これがけっこう高いんですよね^^;)、前日から下ごしらえしたりと、けっこう手がかかるお料理にもかかわらず、テーブルに並べても子供が食べてくれない……なんてことありませんか? 時間かけて作ったのに、お箸をつけてくれなかったり「おいしくない」と言われたらがっかりですよね。せっかく作ったのにもったいないと、作った本人が食べるわけですが、連日「黒豆・昆布巻き・煮しめ・栗きんとん……」が続くとなると、これがけっこうキツイです。
そこで今回は、なぜ子供はおせち料理があまり好きではないのか、といった理由や、子供が食べやすくする工夫などを探ってみたいと思います。食べやすくしたアレンジレシピも公開しましたので、あわせてどうぞ!→子供がおせちを食べないのはなぜ? 子供向けアレンジで食べやすく
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子供がおせちを食べないのはなぜ?
我が家に限らず、お正月におせち料理をあまり食べない子供は多いようです。実家に出向いた時にも、おせち料理を頂くのですが、親戚の子供たちもあまり食べません。おせち界のニューウェーブとも言える煮豚やローストビーフ、鴨のローストなどはけっこう食べるのですが、昔からの昆布巻き、黒豆、お煮しめなどは、三が日が過ぎようとしていても、まだ重箱に残っていたりします。
さて、ここで実際に子供に尋ねてみましょう。なぜ、おせちを食べないのか??
「味がみんな同じような感じだから」
うーん、確かに。私が住んでいる関東では、「お煮しめ」「昆布巻き」「田作り」はお醤油ベース。そのため、どれも似たような味付けになりがち。たまに親戚がお取り寄せのおせち(京風や中華風など)を持ってきてくれることがありますが、その時は味付けの違いからか、食べるようですね。
「味が濃い」
これも確かに。同じような味付けの上、しょっぱいとあまり量は食べられないものです。ごはんのおかずとして食べるわけでないですもんね。とはいえ、どうしても日持ちを考慮して濃い味付けになってしまうのですが……。
「甘すぎる」
栗きんとんや黒豆などが甘すぎる! 確かに市販品はべったりした甘さのものが多いですよね。大人でもそんなにたくさん食べられない気がします。甘いもの甘いものなら子供は好きだろうと思いがちですが、あながちそうではないんですね。
「冷めてる」
「煮物とかは温かいのを食べたい。冷めてるのであまりおいしく感じない」。フーム。確かに冷めてるのよりも、温かいものの方がおいしいですが……。寒い冬なので余計にそう感じるのかもしれません。
「地味。茶色いし、黒いし」
かまぼこや伊達巻き、きんとんに紅白なますとか、色がきれいなのもあるじゃん!……しかし、「かまぼこ……うーん、いつも弁当に入ってるし、あまりそそられないなあ」 いつも弁当に入れてるのは夕〇かまぼこです。籠せいのは高いんだぞ!この贅沢者め~!!
「肉がない」
育ち盛りのたんぱく質星人にとって、肉がないのが不満なようです。魚介があるでしょ?といっても、もっとガッツリしたものを食べたいそう。なのでどうしても、ローストビーフやハムなど食べてしまうようです。
「あまり食べ慣れていないものだから、おいしいものかわからない」
かずのこっておいしいの? なますも、大根の苦さと酸っぱさの組み合わせが微妙。伊達巻きも甘いくせに魚の風味がして、中途半端な感じでよくわかんない。だったら普通の出汁巻き卵の方がいい。
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うーん、かずのこや、紅白なますなどはお正月以外はあまり食べることはないですよね。特に珍味と言われるものは、それが美味しいのかそうでないのかわからないのだそう。
そういえば、私自身の子供の頃を思い出してみても、あまりおせち料理は好きではなかったと思います。「おせちもいいけど、カレーもね」というCMもありましたが、「おせちはいい(いらない)から、カレー食べたい」が正直な気持ちでした。でもおせちは、食べてましたけどね。
おせちを食べない子供向けにアレンジするには
毎年毎年思うのは、「おせちを食べないのだから、作るのはやめようかな」ということ。材料費もバカにならないし、食べないならそのぶん、お寿司でも取って食べたほうがよっぽどいい、なんて思うわけです。しかし、おせち料理は日本のおめでたいお祝いの料理で、食文化のひとつ。子供には、由来やおせち料理にこめられた思いなども、説明しておきたいな、なんて思ったりして。
苦手・嫌いなものでも食べさせるのに意味があるという考え方もあるかもしれません。でも、子供が小さな頃は、少しでもハードルを低くしておせち料理に親しんでもらうために、子供が好きな味にアレンジするのはどうかと考えるようになりました。
上記で子供がおせちを苦手な理由をあげてみましたが、それらを感じさせないような工夫をしてみようかな、と。具体的には、下記のようなものです。
・味が濃すぎないこと
昔は三が日、女性が台所に立たなくてもいいように、という点で、日持ちするようにおせちの味付けは濃かったようです。砂糖が貴重品だった昔、しょうゆのほか、大量の砂糖を使うおせちは、とても贅沢な料理だったのだろうと思います。
しかし今は三が日中でもコンビニは空いているので食料のストックはそれほどしておかなくてもいい気がします。冷蔵技術もしっかりしているので、食べる分だけ出して、冷蔵庫に保管しておけば、それほど濃い味付けにしなくてもよいのではないでしょうか。
・温めて食べる
冷めて味が締まった煮物も美味しいですが、やっぱり子供は温かい食べ物の方が食いつきがいいですね。芋類などは冷めると特に固くなるし、口当たりも悪くなります。
・材料を変える
チーズやハム、ひき肉、中華だし・コンソメなど、子供が慣れ親しんでいる材料や味で仕上げるというものです。年配の方からしてみたら「こんなのおせちじゃない!」と思ってしまうかもしれませんが、これを取っ掛かりとして、王道のおせち料理に興味を持ってくれるといいですよね。
・盛り付けを変える
特に小さな子供は見た目で食欲も変わってくるもの。小さなお重に詰めてあげたり、昆布巻きだったらひと口大にして、かわいいスティックなどに差したりするだけで、パクっと口に入れてくれたりします。
それでもおせちを食べなかったら
いろいろな工夫をしても、なかなか子供がおせちを食べないこともあるかもしれません。でも子供の味覚は不思議なもので、年が上がるにつれて変化します。昆布巻きなどは小さい頃は見向きもしなかったのに、だんだんとお箸が伸びるようになってきます。そういえば、私もお煮しめがおいしいと思うようになったのは、高校生くらいになってからのことでした。背が伸びたいと思ったから、中学生くらいの時にカルシウム豊富な田作りをいっぱい食べたら、おいしくて止まらなくなった覚えもあります。
お正月の食卓に並べ、おせちに親しんでもらう。そのうち箸が伸びて「あれっ?こんなにおいしいものだったのか」と思うかもしれません。焦らず、いつかは食べてくれるかな?などとゆるく期待する気持ちの余裕も大切ですよね。
まとめ
食べないとわかっていると、ついつい作るのもおっくうになってしまうおせち料理。でも、負担にならない程度におせち料理を用意しておくと、意外と食べてくれて「おっ、この味も分かるようになってきたか!」と子供の成長を感じるようになります。お正月は、毎年、微妙に変わってくる子どもの味覚を知ることができる貴重な機会かもしれないなあ、なんて最近は思います。
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