夏の水分補給に欠かせない麦茶。汗だくで帰宅後、麦茶をぐいっと一口飲んでみたら、「あれ?何だか酸っぱい?」と感じることはありませんか?また、飲む前に「ちょっと酸っぱいにおいがする」と気づく場合もあるかもしれません。
そこで今回は
- 麦茶が酸っぱい原因とは?
- 酸っぱい麦茶を飲んで食中毒になる?
- 酸っぱい麦茶を飲んでしまっても大丈夫?
- 麦茶が酸っぱくならないようにするためには?
などについてまとめています。おいしく麦茶を飲むために参考にしてみてくださいね。
Contents
麦茶が酸っぱくなる理由は2つ
酸っぱい麦茶になってしまう理由は、大きく「変質したもの・腐ってしまったもの」「酸化した麦を使ったため」の2つに分けられます。それぞれの状態について説明していきますね。
変質した・腐ってしまって酸っぱくなった
麦茶に雑菌などが繁殖してしまうと、香ばしさがなくなり、かわりに酸味が出てきます。同時に「透明感が少なくなる」「容器の内側がヌルヌルする」といった状態も見られるようになります。
さらに変質が進むと、
- 麦茶が濁る
- 水面のふちに白い濁りが付く
- 麦茶の中に、ふわふわ、もやもやした浮遊物が出てくる
- 半透明のゼリーみたいな塊が浮いている
- とろみがある
こうなると、もう完全に「腐った麦茶」なので、潔く処分しましょう。間違っても飲まないようにしてくださいね。
ちなみに私、かなり昔ですが、ちょっととろみがある麦茶を間違って口に入れてしまったことがありました。冷蔵庫に入れっぱなしだった飲みかけのペットボトルの麦茶を飲んだら……「酸っぱい」を通りすぎて、「刺激性のある酸味」に変わってました。
酸化した茶葉を使ったことによる酸味
もうひとつの理由は、「酸化した茶葉」を使うことによっても生まれる酸味。麦茶パックを開封後、空気に長い間さらしていると、麦茶の原料である麦が酸化。風味が悪くなるだけでなく、ほのかな酸味が感じられるようになります。
麦茶パックは基本的に日光が当たらない場所に保存ですが、日が当たる場所に保存していた場合、酸味とともに、泥臭さや埃臭さ、日向臭さを感じることもあります。
腐っている麦茶かどうか見分けるには?
麦茶が腐っているものなのか、酸化した茶葉によるものなのか、大まかな見分け方としては下記のとおり。絶対というわけではないですが、参考にしてみてくださいね。
変質・腐った麦茶 | 酸化した茶葉の麦茶 | |
---|---|---|
濁り | あり | なし |
風味 | 酸っぱい 腐敗が進むと刺激的な酸っぱさ | 酸っぱい 泥臭い 日なた臭い ほこり臭い |
作ってからの日数 | 数日 | 作ってすぐ |
容器のヌルヌル | あり | なし |
雑菌によって変質した麦茶は、かなり初期の段階に、容器の内側に雑菌の塊「バイオフィルム」ができます。容器の内側や注ぎ口にヌルヌルがある場合、雑菌による「酸っぱい麦茶」の可能性は高そうです。
↓ヌルヌルの容器についてはこちら
酸っぱい麦茶を飲んでしまっても大丈夫?食中毒になる?
酸っぱい麦茶で気になるのは「飲んでも大丈夫なの?」ということ。次は、「雑菌が繁殖したことによる酸っぱい麦茶」「酸化による酸っぱい麦茶」それぞれ飲んでも大丈夫なのかまとめました。
雑菌が繁殖したことによる酸っぱい麦茶を飲んでしまった場合
わずかでも酸味が感じられるということは、すでに麦茶の変質が始まっているということ。まだ、容器の内側に少しのヌルつきがある程度で、麦茶自体にとろみや白い浮遊物が発生していない場合なら、すぐに下痢や嘔吐といった健康被害には発展しないと思われます。
……が、抵抗力が低い乳幼児や高齢者、病み上がりの方、胃腸が弱い方は、念のためその後の健康観察は必要かもしれません。
ちょっと酸っぱいを通り越して、腐敗が進んだかなり酸っぱい麦茶を飲んでしまった場合は、吐き出すことができればベター。
ちなみにですが、私がとろみのある酸っぱい麦茶を飲んでしまった時は、「うがい」をし、「白湯」を飲み、「おなかをあたため」、体調が急に変化してもいいように外出は2~3日控えてました。
その後、ちょっと腹痛を感じた程度で、戻すこともおなかが緩くなることもありませんでしたが、胃腸が弱い方や体力が心配な方は、嘔吐や下痢に備えてOS-1など用意しておくと安心かもしれませんね。
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茶葉の酸化による酸っぱい麦茶を飲んでしまった場合
切ったりんごを放置すると、変色してしまうのも酸化現象のひとつ。変色したりんごを食べてもお腹は壊さないように、酸化した茶葉を使った麦茶は飲んでも直接的な健康被害はありません。
でも、酸化した食べ物の摂取はできるだけ避けたいもの。酸化による酸っぱい麦茶を飲んでしまった場合、抗酸化作用があるビタミンCやビタミンEが含まれる食品を摂っておくと安心ですね。
酸っぱい麦茶になるのを防ぐには
麦茶が酸っぱくなる原因は、変質と茶葉の酸化。そこでいつまでも美味しく麦茶を飲めるように、「酸っぱい麦茶」を防ぐ方法をまとめました。
麦茶の変質を防ぐには 容器を清潔に
麦茶は、雑菌の栄養になるでんぷんや糖質、タンパク質が、緑茶や紅茶などと比べて豊富。そのため、緑茶や紅茶と比べると、腐りやすいんです。また、緑茶などに含まれる殺菌効果がある「カテキン」は麦茶に含まれていません。
そこで重要になってくるのが、麦茶を入れる容器の清潔さ。
容器を水ですすぐ程度で、チャチャッと済ませてしまうと、容器に付いていた雑菌が麦茶の中で繁殖してしまいます。その結果、「容器内側のヌルつき→変質による酸味の発生」となることも。
空になった容器は、洗剤で洗い、熱湯消毒をすると安心。また、プラスチック容器のキズには、雑菌が溜まりやすくなります。キズがつきにくいガラス容器にするのもおすすめです。
↑容器がこんな状態だと、麦茶に酸味が出やすくなります……。
麦茶の変質を防ぐには 保存は冷蔵庫へ
雑菌が繁殖しやすい温度は30~40℃。今や30℃以上になることも珍しくない夏は、雑菌にとってパラダイス。そんな時期に、常温で長時間放置するなんて、率先して酸っぱい麦茶作りにいそしむようなものですよね。
雑菌の繁殖を防ぐには、雑菌の動きが鈍くなる10℃以下になる冷蔵庫での保存が基本です。
飲みかけのペットボトルの麦茶は特に注意!口につけて飲まずにコップなどに移し替えて飲むか、直接口に付けて飲む場合は早めに飲み切るようにします。温度が上がりやすい車の中に放置するのも避けて下さいね。
麦茶の変質を防ぐには 煮出して作ったら急冷を
先にも説明したとおり、雑菌が繁殖しやすい温度は30~40℃。煮出して麦茶を作る場合、冷ますために常温に長時間放置するのはNGです。
一時的に雑菌はいなくなったとしても、煮出した後にやかんの中に長時間入れっぱなしにしておくと、やかんの中に雑菌が入り込み、30~40℃に冷える過程で大繁殖してしまいます。
麦茶は煮出して作ったら、すぐに水や氷水で人肌程度まで冷まし、その後、冷蔵庫に入れて保存! これは鉄則です。
麦茶の変質を防ぐには 麦茶パックは入れっぱなしにしない
麦茶パックの中には、雑菌の栄養になるでんぷんやタンパク質などがいっぱい。入れっぱなしにせず、2時間ほど経ったら取り出します。
水出しの場合、ついつい入れっぱなしにしてしまうこともあるかもしれませんが、キッチンタイマーなどを利用して、2時間後には取り出すクセを付けておくといいかもしれません。
麦茶の変質を防ぐには 麦茶パックは密封して冷暗所に保存
麦茶パックは、酸化を防ぐためにしっかり密封できる容器や袋に入れて、空気に触れる状態を少なくします。保存に適しているのは、25度以下で湿度50%以下の場所。虫やダニから守るため、冷蔵庫に入れて保存するのもおすすめです。
ダニが発生することも。詳しくはこちら
麦茶の変質を防ぐには 早めに飲み切る
家で作った麦茶は適切な状態で保存し、2~3日以内で飲み切るのがおすすめ。2~3日以内でも、酸味を感じるようになったら適宜処分することも必要ですね。
まとめ
酸っぱい麦茶になる理由は、「変質する」「茶葉が酸化する」の2つ。特に多いのが、変質による酸味です。雑菌が繁殖しないように、麦茶を入れる容器をきれいにして、適切な状態で保存するようにすれば、「酸っぱい麦茶」になるのを防ぐことができますよ。
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