時間が経った墨汚れの落とし方!2年越しの汚れがごはんつぶで?

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シミ汚れの中でも、特に落ちにくいといわれているのが「墨の汚れ」。
子どもが習字の授業で服を汚して帰ってきたけれど、落ちなくてガッカリという経験、ないでしょうか。
特に時間が経っていると、汚れは繊維の奥まで染み込んで、きれいにするのはまず不可能などとも聞きますよね。

そこで今回、「時間が経った墨汚れ」を落とすことができないか大実験。
いろいろな方法を試した結果、完全に落とすことはできませんでしたが、かなりきれいになる方法にたどり着くことができました。

特別な材料は不要。家にある材料だけで「えっ!?こんなにきれいになる!?」とびっくり。
時間が経った墨汚れであきらめていた方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

Contents

こちらが2年前の墨汚れ

今回、私が試したのはスクールシャツ(ポリエステル65%、綿35%)のフロントと袖口に付いた墨汁のシミ。2年前、長男が学校の習字の時間に墨をつけてしまったものです。

長男曰く、「汚れに気付き、家に帰ってから軽く洗ったけど全然落ちなかった」とのこと。そのままだと私に叱られると思ったのか、タンスの奥に隠してしまったそうなのです。2年後、本人もすっかり忘れていた中、つい先日、発掘されました……。

袖口は特に生地が数枚重なっているためか、しっかり染み混んでいます。本人が軽く応急処置したからか、「真っ黒→濃グレー」くらいに汚れは薄くなっていますが、それでも目立ちますね。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
隠したくなるのも、わかる気がするなあ……

シャツ自体はまだそれほど着古していないので、シミ汚れのせいで着られなくなるのはもったいない! そこで何とか墨の汚れを落とすことができないか、いろいろ試してみることにしました。

試してみたのは、下記の方法です。

  • 洗濯洗剤
  • マジックリン
  • 歯磨き粉
  • 塩素系漂白剤
  • 酸素系漂白剤
  • ごはんつぶ

その中で、「これは!!!!」と墨汁汚れに悩む世の人々に声高らかに訴えたいのが「ごはんつぶ」です。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
ごはんつぶ? ごはんが墨汁汚れを落とすの?

そうなんです!ごはんつぶ。

昔、祖母から「墨汚れにはごはんつぶ」と聞いてはいたのですが、「まさかごはんで落とせるわけがない」と全然信じていなかったんですね。なので、今回もネットで「落ちる」とされているマジックリンや塩素系の漂白剤を優先し、ごはんつぶを試したのは一番最後でした。

が、これがびっくり!墨汚れがかなり落ちるんですよ!その証拠がこちら。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
あ、ほんとだ! そではまだ汚れはあるけど、フロントの汚れがわからなくなってる!

ちょっと根気よく作業することが必要となりますが、かなり目立たなくなりますよ。それでは材料や落とし方をご紹介します。

ごはんつぶを使った墨汚れの落とし方

材料

  • ごはんつぶ ピンポン玉1個分
  • 洗剤(液状の洗濯洗剤)5~6摘
  • スプーン

スプーンは汚れをしごき取るのに使います。スプーンでなくても、ヘラ状になるものならそれでもOKです
汚れの範囲が広い場合、用意するごはんと洗剤の量は多めにします。

ごはんに洗剤を混ぜる

容器にごはんを入れてすりつぶします。冷えたごはんだと粒をつぶしにくいので、温かいごはんを使います。冷やごはんを使う場合、電子レンジなどであらかじめ温めておきます。

すりつぶしたごはんに洗剤を入れて混ぜます。

墨汚れにごはんつぶをこすりつける

墨で汚れた衣類に水を付けます。水分を生地に十分染み込ませたら、次は墨で汚れた部分にごはんつぶをこすりつけます。そのまま1分くらい放置します。

スプーンでごはんつぶをこそげ取る

スプーン(またはヘラなど)を使って、汚れをかき出すようにごはんつぶをこそげ取ります。

何度もごはんつぶを付け直してこそげ取ります。柔らかい台の上だと力が安定しないので、硬い台の上に服を置いて作業するとやりやすいです。

そのうち、ごはんつぶの色が灰色になってきます。フロントの部分についた墨汁汚れは、数回スプーンでかき出した結果、ほらほら!ほとんど目立たなくなりました!

続いて襟の部分です。こちらもゴリゴリとこすっていくと……。

うわ~!墨と思われる汚れがにゅるにゅると染み出してきます。真っ黒!

数回、この工程を繰り返した結果がこちら!最初の汚れと比べると色の濃さが全然違いますね。もっとゴリゴリとこそげ取ってみようと思ったのですが、生地が傷みそうなのでやめました。汚れが落ちても生地がボロボロになったら、本末転倒ですもんね^^;

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その後、普通に洗濯をして乾かした状態がこちらです。まずは袖の汚れから。

続いてフロントの汚れです。

フロントの墨の汚れはほとんど目立たなくなっているのがわかるでしょうか。

このくらいの汚れであれば、普段使いのスクールシャツとしては十分使えると思います。そでの部分の汚れは気になりますが、袖口を折って着用すれば特に問題なく使えそうです。

マジックリンや漂白剤で墨汚れは落ちる?

さて、今回ごはんつぶで試す前にも、いろいろな洗剤を使って墨汚れを落とすことに挑戦していました。その結果についても軽くご紹介します。

ただ、画像を撮影し始めたのは「塩素系漂白剤」からでした。画像がないのでわかりにくいかもしれませんが、「洗濯洗剤」「マジックリン」「歯磨き粉」「酸素系漂白剤」は文章のみでお伝えします。

洗濯洗剤

一般的な洗濯用の「粉末洗剤」をぬるま湯に溶かし、1時間ほどつけ置きしてからこすり洗いしてみました。

しかし、2年間で墨汚れは繊維の中にしっかりと汚れが染みついてしまったのでしょう。全然落とすことはできませんでした。

マジックリン

ネットで調べたところ「マジックリン」が有効という情報にたどりつきました。マジックリンの原液に倍の量の水を加えて1/2の濃度に薄めた液を使います。

ベトベトの油汚れ効果をスルスルと落とすマジックリン、汚れの種類は違うけれど、墨汚れも頼もしく落としてくれそう! ……なんて期待して、マジックリン液を付けてこすり洗いしてみましたが……。

うっすら色が薄くなったかな?と思った程度で、ほとんど汚れの状態は変わらなかったです。

歯磨き粉

次は、歯磨き粉を汚れに付けて、歯ブラシでこすり取るという方法です。

歯磨き粉には粒子が細かい研磨剤が入っているので、それが繊維の間に入り込み、汚れをかき出すという効果があるそうです。

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)
確かに歯磨き粉はクレンザーやコンパウンド替わりに使えるという話も聞いたことある~!

歯磨き粉を汚れに付けて、使い古した歯ブラシでトントンと叩くように汚れを落としていきます。しばらく試してみましたが、わずかに「ちょっと薄くなったかな?」と思った程度で終わりました。

酸素系漂白剤

シミ汚れに有効な酸素系漂白剤。今回、アメリカ製の「オキシクリーン」を使用しました。

いつも私はオキシクリーンを使う時は60度のお湯に溶かして使うのですが、墨汁汚れは「タンパク質汚れ」とのこと。高温だと汚れが凝固してしまうのでは?と、思い、40度のお湯で試してみました。

つけ置きして6時間ほど放置してみましたが、こちらもうっすら薄くなったかな?と思った程度でした。

塩素系漂白剤

さまざまな方法で染み抜きを試したものの、まったく歯が立たなかった墨汚れ。

これはもう、「塩素系漂白剤」という刺客を送り込むしかありません。これまで何度か漂白の作業中に失敗し、着ていたシャツの色が抜けてしまった経験があるので、「墨汚れも落とのでは?」なんて期待してしまいます。

でも、シャツの洗濯表示を見てみると、「エンソサラシ」はNGとなっているんですよね。

これは塩素系漂白剤は使えないということだよね
おたま1号(助手)
おたま1号(助手)

うーん、迷ったものの、自己責任でちょっとだけ試してみることにしました。1リットルの水の10ミリリットルの漂白剤を入れて、20分つけ置きしてみます。

しかし全然汚れは落ちていません。

それではと、次は1リットルに20ミリリットルの漂白剤を入れ、倍の濃度にしてみました。10分つけ置きしてすすぎます。多しだけ、すすいだときに水が灰色に濁った部分がありましたが、汚れが落ちたという実感はありません。

塩素系漂白剤は、とても漂白力が強く、その分生地が傷む可能性が高い洗剤です。今回の実験では、墨汚れがほとんど落ちず、生地が傷むリスクばかり高くなる結果となりました。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
もともと、洗濯表示で「エンソサラシNG」となっていたし、汚れも落ちなかったので、塩素系漂白剤は使わないほうがいいと思うなあ

今回、洗濯洗剤、マジックリン、歯磨き粉、酸素系漂白剤、塩素系漂白剤では墨汚れは落とすことはできませんんでした。ただ、これは2年以上も放置した墨汚れ。

もしかしたら、墨を着けてまだそれほど時間が経っていない場合だったら話は別かもしれません。

なぜ、ごはんつぶで汚れが落ちるの?

洗濯洗剤でもマジックリンでも酸素系漂白剤でも歯磨き粉でも塩素系漂白剤でも落ちなかった「墨汚れ」。それをあっさりと落としたのが「ごはんつぶ」でした。

なぜごはんつぶが汚れ落としに有効なのか気になる~
おたま1号(助手)
おたま1号(助手)

ごはんつぶが汚れを落とす理由の前に「なぜ墨は落ちにくいか」を説明しますね。

昔から使われている墨は、植物や植物油を燃やした煤(すす)を、膠(にかわ)と呼ばれる成分で練りかためたもの。膠(にかわ)は、動物の骨や皮などを水で煮た液を、かわかし固めたもので、ゼラチン(タンパク質)が主成分です。接着剤や顔料の溶剤として使われるそうですよ。

そういえば、私が小学生の時、硯(すずり)で墨をすり、洗わずそのまま放置していたら、カビが生えていたことがあったんです……。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
墨に使われている膠(にかわ)がゼラチンだったので、そこからカビが生えたんだね~!

ただ、現在習字の授業で使われる墨汁は、カーボンと合成樹脂を水に混ぜたものが主流なのだそう。合成樹脂が接着剤の役目を果たし、カーボンを紙に定着させるのだそうです。

昔ながらの煤(すす)も、現在の墨汁に使われているカーボンもとても粒子が細かいのが特徴。そんな煤やカーボンを使った墨汁が生地について乾燥してしまうと、膠(にかわ)や合成樹脂の接着剤効果でべったりと付いてしまいます。

つまり、細かな粒子が繊維の奥まで入って膠や合成樹脂の効果で固まるため、取れにくいのだとか。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
じゃ、そのガチガチに固まった接着剤をゆるめればいいんじゃない?

そこで力を発揮するのが粘着性のあるでんぷん! 

「ごはんつぶ」はでんぷん。ごはんつぶをつぶして衣類の繊維の奥まで染み込ませることで、固まった墨を絡め取り、落とすことができるそう。

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)
ごはんつぶがない場合、「でんぷんのり」でも代用できるよ!

実はごはんつぶを使って墨を使う方法、古くから知られていたものなのだとか。
昔の人の知恵ってすごいですね。

まとめ

いかがでしたか?墨汁汚れにごはんつぶ。

最新兵器を持ってしても退治できなかった協力な敵を、おばあちゃんが片手でバッタバッタとやっつけるような痛快さでした。私のようにいろいろな方法でも落ちなかった人も、ぜひ「ごはんつぶ」試してみて欲しいです。

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