大河ドラマ『鎌倉殿の13人』のテーマ曲担当は、アメリカ出身の作曲家、エバン・コール(Evan Call)さん。
名前を初めて聞いた人もいるかもしれませんが、実は知る人ぞ知る有名な作曲家。アニメ「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の音楽など、大河ドラマの他にも日本のテレビ作品に数多く携わってきました。
調べてみると、「日本のアニメが好き」など、意外な横顔があることも明らかに……。
今回は『鎌倉殿の13人』テーマ音楽を担当する作曲家、エバン・コールさんについて掘り下げてみます。
Contents
作曲家エバン・コールってどんな人!?
■プロフィール
・別名 Evan Call
・生誕 1988年6月29日生まれ
・出身地 アメリカ合衆国・カリフォルニア州
・学歴 バークリー音楽大学 映画音楽作曲科
ボストンの名門音楽大学出身
エバン・コールさんは、アメリカ出身の作曲家。ボストンにある名門・バークリー音楽大学でフィルムスコアリングを学びました。
バークリー音楽学校といったら、アメリカの名門の音楽学校。そこで音楽を学んだエバンさんが、なぜ、日本で活躍することになったのでしょうか。
実はエバンさん、日本のアニメ好きの友達の影響で「ポケットモンスター」や「デジタルモンスター」などを見るようになったそう。
2004年に見た「SAMURAI 7」で沼にハマり、日本のアニメが好きになったとインタビューで答えています。
日本での活躍を夢見て、観光ビザで来日
卒業後は、ハリウッドで働くことも考えたものの、日本での活躍を夢見て来日。日本のアニメやゲームはジャンルも多様であるため、成功することができれば幅広く音楽の世界で活躍できるのでは?という考えたからだそう。
来日の際に使用したのは、有効期間が3カ月間の観光ビザ。しかもノープランで日本に来たというのだから驚きですよね。
日本では、シェアハウスに住んでいたというエバンさん。ある時、シェアハウスのルームメイトに誘われて参加したパーティで、「音楽がやりたい」と話したところ、音楽クリエイター集団Elements Gardenの藤田淳平さんを紹介されたそう。
面接とデモテープの審査を経て、音楽制作チーム「Elements Garden」に加入することになりました。
目立つかなと「馬に乗った写真」を提出
以降、アニメやゲームの音楽の作曲活動を開始したエバンさんですが、彼の名前が多くの人に知られるきっかけとなったのは、アニメ「シュヴァルツェスマーケン」ではないでしょうか。同作でエバンさんは、音楽やエンディングテーマの作曲も担当しています。
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「シュヴァルツェスマーケン」のプロジェクトに参加するとき、エバンさんはデモとともに自分の写真を付けたプロフィールも提出しました。仕事に直結するのだから、まじめな写真を使ったのかと思いきや、なんと添付したのは「馬に乗ってポーズを決めている自分の写真」。
エバンさんにとって全力で頑張りたい!と思わせる作品だったので、その意気込みを伝えるべく、目立つ写真を送ったとインタビューで語っていました。結果、「いいね!」と好評だったそうです。
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実はメタル好き!デスヴォイスで歌うことも
エバンさんの曲で特徴的なのは振り幅の広さ。壮大なオーケストレーションを生かした曲から民族音楽、エレクトリックサウンド、そしてメタルサウンドなど。
オーケストラとメタルというのは全くジャンルが違う気がしますが、エバンさんは欧州のパワーメタルや、メロディックメタル、デスヴォイスを多用する北欧のブラックメタルなどのメタルもよく聞いていたそうです。
また、音楽制作にあたり、楽器を演奏するだけでなく、コーラスも自身で手掛けることも。「シュヴァルツェスマーケン」の劇伴でもエバンさんがデスヴォイスで歌っています。
アニメのほかドラマや報道番組のテーマ曲も
「シュヴァルツェスマーケン」が有名ですが、そのほかにもエバン・コールさんがこれまで手掛けたアニメ作品は多数。一例をあげると
- ヴァイオレット・エヴァーガーデン
- うたの☆プリンスさまっ♪ アイドルソング カミュ
- ジョゼと虎と魚たち
- ハラスメントゲーム
- 天晴爛漫
「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」のBGMは、透明感もあって、壮大で広がりのある世界を感じる音楽ですよね。
アニメやゲームだけでなく、「九月の恋と出会うまで」など実写版映画の音楽も担当しています。
また、これまでNHKで担当した作品もたくさん!NHKドラマ「デイジー・ラック」のほか、NHK BS時代劇「螢草」、NHK BSプレミアムドラマ「いよっ!弁慶」など、時代劇の音楽も担当していたんですね!
エバン・コールは日本語話せるの?
日本人の中にも、平安時代や鎌倉時代に難解なイメージを持つ人も少なくありません。ましてや、外国人であるエバンさんならなおさら。大河ドラマの舞台・鎌倉時代の文化を理解したり、時代劇特有の言葉遣いなど、理解できたのでしょうか。
エバンさんは、ジュニアカレッジの頃から日本語も習っていたそう。その頃から、日常会話や面接程度の日本語を話すことができたと話しています。
面接の受け答えができるほどの日本語能力があるのなら、日常生活に不便はなさそうだし、仕事もするにしてもそれほど不自由は感じなさそうですよね。
また、エヴァンさんはメキシコ系の住民が多く住む場所で育ったため、スペイン語も堪能。英語、日本語、スペイン語も話せるなんてすごいですね。
音楽担当についてエバンさんのコメント
「鎌倉殿の13人」の音楽担当に決定したエバン・コールさんのコメントは下記の通り。
台本を読み始めたら、ますますこの物語に引き込まれました。
昔の人の考え方や、戦までの経過、時代の変化がとても面白く書かれています。
時に深刻にも見え、時に滑稽にも見えることもありますが、その結果には大きく心を揺さぶられます。
どのように音楽を作れば、この作品にふさわしいか、読み進めながらずっと考えています。 61作目の大河ドラマであり、脚本三谷幸喜さん、演出吉田照幸さんを筆頭に多くの素晴らしいスタッフで作る作品ですから、音楽も含めて歴代の大河と一味違うアプローチになると思います。音楽側としては、昔の作品にも敬意をもち、『鎌倉殿の13人』は自分の得意なアイデンティティーがあるように 音楽を作らせて頂きます。
まとめ
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で音楽を担当するエバン・コールさんについてまとめてみました。日本のアニメが好きだったこと、メタルを好んで聞いていたこと、特に計画を立てず、エイッと来日してしまったことなど意外な一面が多くてびっくり。
メタルやクラシック、民族音楽などさまざまな要素を取り入れた音楽を強みとするエバンさん。「鎌倉殿の13人」の映像に合わせて、どのような音楽が流れるのか楽しみですね。
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