2022年の大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。脚本を担当するのは、「新選組!」や「真田丸」を手がけてきた三谷幸喜さんです。楽しみな反面、ドラマの舞台となるのは、今から約1000年前の鎌倉時代。


時代背景や登場人物などについて理解しておけば、ドラマがより楽しく見ることができるはず!そこで今回は、「鎌倉殿の13人」を見る前にチェックしておきたいおすすめな本や情報を紹介していきます。
小説だけでなく、マンガやドラマなども紹介するので、「活字が苦手!」な人もぜひチェックしてみてくださいね。
Contents
「鎌倉殿の13人」とは
まず最初に「鎌倉殿の13人」のざっくりしたあらすじを紹介します。
舞台となるのは、平安時代末期から鎌倉時代前期。源頼朝が平家を滅ぼし、鎌倉幕府が誕生しますが、その中で権力の座をめぐって行われる有力者による駆け引きが描かれます。
主人公は、初代執権・北条時政の息子である北条義時。「鎌倉殿の13人」の13人とは、鎌倉幕府第二将軍・頼家の専制政治を防ぐべく、有力御家人らが行った「十三人の合議制」のことです。
冒頭でもお伝えしたように、戦国武将や江戸時代をテーマにした時代劇は多いですが、鎌倉時代が舞台のドラマはあまり多くありません。なじみがない時代でわかりにくいだけでなく、主人公の「北条義時」も知名度は低くて「誰?」という人も多いはず。

次からは、さっそく予習にぴったりな本を説明していきます。
予習におすすめの本15冊!
物語を読みながら鎌倉幕府や北条家についてわかる「小説」、鎌倉時代や北条氏についての「考察」、小説よりもより分かりやすく、子どもにもぴったりな「マンガ」に分けて紹介しますね。
小説
■『炎環』(永井路子)
鎌倉時代を舞台にした1979年の大河ドラマ「草燃える」の原作本のひとつ。源頼朝の挙兵~承久の乱までが描かれた直木賞受賞作品です。短編4つ(「悪禅師」「黒雪賦」「いもうと」「覇樹」)で構成されているので、比較的読みやすいのも魅力。
義時がテーマで描かれた短編が「覇樹」、梶原景時が主人公の短編が「黒雪賦」です。
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■『夢鏡 義高と大姫のものがたり』(倉本由布)
こちらは、木曽義仲の息子である木曽義高と、頼朝の娘・大姫が主人公。2人の悲恋を描いた小説です。コバルト文庫なので、どちらかというと歴史に興味を持ち始めた小学生~高校生向き。大人には物足りないかもしれませんが、軽いタッチなので、重い歴史小説が苦手という人も読みやすいと思います。
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■『北条義時』(嶋津義忠)
伊豆の田舎武士だった義時が、どのように源頼朝と出会い、信頼を経て鎌倉幕府の重臣になったのかが描かれます。
北条義時 「武士の世」を創った男 (PHP文庫) [ 嶋津 義忠 ]

■『右大臣実朝』(太宰治)
文豪・太宰治が、三代将軍・源実朝をテーマに描いた小説。実朝に12歳から使え、その後出家した主人公が、実朝との思い出や人柄について回想するという内容です。
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■『実朝の首』(葉室麟)
三代将軍・源実朝の死の真相に迫ったミステリー。実朝は甥の公暁によって暗殺されますが、その黒幕となった人物はいたのか、なぜ実朝は殺されなくてはならなかったのか、繰り広げられる政治的駆け引きなどが描かれます。歴史小説は苦手だけど、ミステリーは好きという人にぴったり。
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■『修羅の都』(伊東潤)
源頼朝と北条政子の夫婦を中心に描いた小説。源頼朝が平家滅亡を終えた辺りから、頼朝が死に承久の乱が起こるまでが中心に描かれます。
頼朝というと勇ましい将軍のイメージが強いですが、頼朝は晩年、認知症を患っていたという設定で物語は進行。認知症が進み周囲を混乱させる頼朝と、それを支え苦悩する政子の姿が印象的です。
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鎌倉時代の解説や北条氏についての考察
■『日本の歴史7 鎌倉幕府』(石井進)
ドラマの舞台となる鎌倉時代について、総合的に広く知りたいと思うならこの本!
鎌倉幕府の成立から承久の乱を経ての北条義時や、執権政治の黄金時代について解説されています。政治史だけではなく、経済や宗教、文化、平民がどのような暮らしをしていたのかもわかります。
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■『承久の乱-真の「武者の世」を告げる大乱』(坂井孝一)
作者の坂井孝一氏は、「鎌倉殿の13人」の時代考証者。承久の乱に至るまでの歴史の流れの解説、なぜそのような歴史になったのか、承久の乱の歴史的位置づけ、時代背景など、承久の乱についてのすべてを詰め込んだとも言える一冊です。
【新品】承久の乱 真の「武者の世」を告げる大乱 中央公論新社 坂井孝一/著

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■『鎌倉殿と執権北条氏: 義時はいかに朝廷を乗り越えたか』(坂井孝一)
こちらの著者も、時代考証者の坂井孝一氏。北条氏の歴史から、主人公・北条義時の活躍までのまとめられており、ドラマ全体の構造がつかみやすくなっています。
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■『源氏将軍断絶』(坂井孝一)
同じく、時代考証者の坂井孝一氏による書籍。こちらは北条氏側ではなく、三代続いた源氏の将軍(源頼朝、源頼家、源実朝)についてわかりやすく説明されています。なぜ、鎌倉幕府を開いた源頼朝の血統が三代で絶えてしまったのか、坂井氏ならではの解釈が新鮮です。
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■『承久の乱 日本史のターニングポイント』(本郷和人)
承久の乱は、朝廷と幕府の関係を決定的に変えた出来事で、以来明治維新まで武士が中心となって政治を動かす時代が続きます。同書はそんな承久の乱を中心に、『日本史のツボ』『ヤバイ日本史』などで知られる歴史学者・本郷和人氏が鎌倉時代の政治史をまとめています。
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マンガ
■「学習まんが 世界の伝記NEXT 北条義時」(三上 修平、野間 与太郎)
「難しいのは面倒、長時間じっくり読むのは苦手」という場合、やっぱりマンガは便利。ふりがな付きで小学校低学年から読めるので、子どもと一緒に読んでもいいですね。手っ取り早く北条義時について知りたいという大人にもぴったりです。
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■「角川まんが学習シリーズ 日本の歴史 5 いざ、鎌倉 鎌倉時代」
角川のまんが学習シリーズ。源平合戦から鎌倉幕府の成立、元寇までが描かれており、もちろん義時も登場します。
どのような流れで平氏の時代から源氏の時代になったのか、北条氏がなぜ執権となったのかが漫画でわかります。ざっくり鎌倉時代を知りたいという大人にもおすすめ。「十三人の合議制」に選ばれた三浦義澄も最初の方から出てきますよ!
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■「吾妻鏡(上)―マンガ日本の古典〈14〉 」(竹宮恵子)
「吾妻鏡」は、鎌倉時代の歴史書。三代将軍や北条家についても書かれた幕府公用の記録書を、漫画家の竹宮恵子さんが漫画化しました。
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■『ひとさきの花 藤野もやむ短編集』(藤野もやむ)
義高と大姫の悲恋を描いた漫画「ひとさきの花」が収録された短編マンガ集。3部構成となっていて、「義高」「大姫」2人の視点で物語は進みます。史実に忠実な学習まんがとは違い、キャラクターの心に寄り添ったストーリー。ドラマでもこの漫画でも、一途で純粋な大姫の姿には心を打たれますね……。
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テレビドラマやネットでも予習できる!
本や漫画を読むのも面倒……という人におすすめなのが、テレビやネットでの予習です。役立つサイトや名作ドラマについて紹介しますね。
■NHKオンデマンド
NHKが放送した番組を、有料でネット配信する動画サービスNHKオンデマンド。ここでは1979年の大河ドラマ『草燃える』、2001年の大河ドラマ「北条時宗」の総集編が公開されています。
「鎌倉殿の13人」といろいろと重なる部分が多いので、予習として見ておくとより理解が深まりそう。

NHKオンデマンド会員でない場合は、レンタルで見るという方法も!TSUTAYAでも、「草燃える」や、「北条時宗」の総集編もレンタル可能。DVDの販売も行っているようです。
■和樂web warakuweb
日本文化を軽く楽しく紹介するサイト「和樂web warakuweb」では、「鎌倉殿の13人予習シリーズ」のコンテンツが多数掲載中。物語の大きなキーポイントとなる「平将門の乱」「源平合戦」や、登場人物などについて紹介されています。何よりも、文体がとても軽やかで、肩がこらず気楽に読めるのが魅力!

まとめ
13冊のおすすめ本を紹介しました。最初から堅苦しい本を読んでしまうより、マンガやミステリー小説から読み始めて、興味ある登場人物や背景を深堀りしていく方がいいかもしれません。参考にしてみてくださいね。
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