バターを練り込み、たたんで伸ばして冷やしてを繰り返す「パイ生地」。それが大変そうで、パイ菓子を作るのをついつい躊躇してしまう人もいるはず。
そんなパイ菓子作りのハードルを、グンと下げてくれるのが「冷凍パイシート」。でも、手間が省けるとはいえ、ちょっと値段が高いんですよね……。
でも先日、業務スーパーで格安な「冷凍パイシート」が販売されているのを発見。安いので、味や使い心地が気になるところですが、実際に使ってみると、想像以上のおいしさにびっくり!
今回はその使い心地や、他メーカーの冷凍パイシートとの比較、カロリーや原材料、実際の使い心地やおすすめレシピについてレポートします。
Contents
業務スーパーの冷凍パイシートとは?
今回、購入した冷凍パイシートはこちら。
価格はクリスマスなどイベント需要を見越してか、特別価格で税別228円でした。通常は税別248円~268円で販売されています。時期によって多少価格は前後するようですね。
売り場は、業務スーパーの人気商品「リッチチーズケーキ」「ベルギーワッフル」などが販売されている冷凍お菓子コーナーのあたり。
店舗によって置いてある場所は違うかもしれませんが、お店に行くときの参考にしてみてくださいね。
外国語が並ぶパッケージを見れば一目瞭然ですが、こちらは海外からの輸入品。普段、あまりなじみのないリトアニアという国から輸入しているようです。
気になったので調べてみました! リトアニアとは、旧ソビエト圏のバルト三国の中で最も南にある国。リトアニアは、食品加工業では長い伝統を持っているのだそう。安心して使えますね^^
旧ソビエトとパイ生地っていまいちピンとこないですが、ロシアには、ピロークというパイ生地を使った料理があり、パイ生地とはなじみがあるようです。
それでは早速開封してみましょう。パッケージを開けると、パイシートが6枚入っています。
国産メーカーのパイシートは、1枚1枚ビニールで個装されていたり、シートの間に紙がはさんであり、シート同士がくっつかないようになっています。
型崩れしないよう、トレイの上にのせてあるものも多いですが、業務スーパーのパイシートはポンっとむき出しでそのまま入ってます。このあたり、海外製品らしいですね。
賞味期限は、購入時から8カ月後でした。このくらいの期間があれば、使いきることができそうです。前述したように、クリスマスシーズンなどは特価になることもあるので、安いときにまとめ買いしておいてもいいですね。
袋から出してみました。大きさは20㎝×11㎝。厚さは4㎜。重さは1枚あたり84g。マクドナルドの三角チョコパイを真似たパイなら、1枚で2個は作れそう。
この段階では、一般的な冷凍パイシートとの差は感じません。では、実際に国産メーカーの冷凍パイシートと比較してみます。
業務スーパーのパイシート、国産品とどう違う?
今回、比較したのはCOOPのPB商品「冷凍パイシート」。製造元はニップン。ニップンは「オーマイ」ブランドで冷凍パイシートを作っているので、それとも似ているかもしれません。
まずは価格から。COOPのPB商品「冷凍パイシート」は、4枚入り(300g)で、税別379円。業務スーパーのパイシートは6枚入り500gで税別228円。
1枚あたりに換算すると、COOP商品は約95円、業務スーパーはなんと38円!
他メーカーとの冷凍パイシートとも価格を比較してみます。
メーカー | 価格 | 1枚あたりの価格 |
---|---|---|
業務スーパー パイシート(500g 6枚入り) | 税別228円 | 38円 |
オーマイ パイシート(400g 4枚入り) | 税別490円 | 約123円 |
明治パイシート(260g 2枚入り) | 税別449円 | 約225円 |
マルハニチロ パイシート(300g 4枚入り) | 税別415円 | 約104円 |
COOP 冷凍パイシート(300g 4枚入り) | 税別379円 | 約95円 |
1枚あたりの重さに差があるので一概には言えませんが、業務スーパーの冷凍パイシートは、国産のそれよりも、半額~約1/3で購入できる計算になりますね。
業務スーパーの冷凍パイシートの原材料は?
コスパがよい業務スーパーのパイシート。輸入品とはいえ、なぜこんなに安いの?と気になります。「何か原料に水増しして、価格を押さえているのでは?」なんて勘ぐってしまった私は、原材料をチェックしてみることにしました。
業務スーパーのパイシートの原材料は下記のとおり
続いて、COOPの原材料
■原材料のファットスプレッドって?
原材料にある「ファットスプレッドって何?」と思った人もいるのではないでしょうか?基本的にパイ生地は、小麦粉とバターで作ります。業務スーパーでは、バターのかわりにファットスプレッド、COOPでは発酵バター入りのマーガリンを使用しています。
ファストスプレッドとは、日本農林規格(JAS)によると、マーガリン類に属するもののうち、食用油脂の割合が80%未満のものであるそう。80%を超えるものがマーガリンとなります。
価格はマーガリンより、ファットスプレッドの方が安いです。業務スーパーのパイシートの価格が安いのは、使われている油脂類の違いの影響もあるのかも。
サイズや厚さに違いはある?
業務スーパーのパイシートと、COOPのパイシートを並べて比較してみました。
業務スーパー(約20㎝×11㎝)の方が、COOP(約18㎝×10㎝)よりも大きいです!
それでは厚さはどうでしょう?
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色は若干、業務スーパーの方が白いですね。
実際に焼いてみて違いはある?
それでは実際に焼いてみましょう。
使い方はどちらのパイシートも同じです。パッケージから取り出して、10分ほど自然解凍させてから使います。
解凍して作業中に感じたこととしては、業務スーパーの方がべたつきが少ない気がしました。
約1.5㎝幅にパイシートを切って、200℃に予熱したオーブンで約10分焼きました。
焼きあがった状態はこちら!
両方ともいい焼き色ですが、COOPの方が、色が濃いめ。そしてちょっと形が崩れていますね。
断面はこんな感じ。上がCOOPのパイシート、下が業務スーパーの冷凍パイシートです。
熱々の状態で食べてみると……両方ともサックサク!おいしいです。
「業務スーパーの冷凍パイシートはまずい」なんて口コミがあったので、ちょっと心配していましたが、全然問題なしです。COOPと比べて大きな差はなく、おいしいですよ!
焼いて1時間経ち、冷めたパイ生地を食べ比べてみました。冷めてもサクサク感は2商品ともそのままでおいしいです。
焼きたてでも冷えてからでも、COOPの方が、ホロホロとパイ生地が崩れやすいような気がしました。ミルフィーユなど、パイ生地を焼いたあとに加工するお菓子を作る場合、業務スーパーの方が扱いやすいかもしれないです。
業務スーパー冷凍パイシートでパイ料理を作ってみた!
シンプルにパイ生地を焼いてみたところ、おいしく食べることができた業務スーパーの冷凍パイシート。次は、実際にお菓子や料理で使ってみることにします。
フィリングを丁寧に作るレシピも多いですが、今回は簡単に手抜きで作る方法をご紹介します。手抜きフィリングでも見栄えよく見えるのは、パイ生地ならですよね^^
アップルパイ
<材料>
・冷凍パイシート 1枚
・りんご 1個
・パン粉 大さじ3~4杯
・バター 大さじ1
・砂糖 大さじ1~2杯
冷凍パイシートは解凍しておきます。りんごは16等分のくし型切り。フライパンにバターを熱してりんごを焼きます。砂糖を振って、りんごがしんなりしたらフィリングの出来上がり。
冷凍パイシートの中心にパン粉を敷きます(フィリングから出る水分でパイ生地がベチャベチャになるのを防ぐため)。その上にりんごのフィリングを並べます。
200℃に予熱したオーブンで、15~20分焼いてできあがり。
チョコパイ
<材料>
冷凍パイシート2枚
板チョコ 8粒
溶き卵 1個
冷凍パイシートは、1枚あたり8つに切り分けます。1枚のパイシートに板チョコをのせ、端っこに溶き卵を塗ります。その上にもう1枚のパイシートをのせ、フォークなどで押して2枚のシートを密着させます。
照りを付けるために、溶き卵を上に塗り、200℃に予熱したオーブンで10分焼きます。
キッシュ
<材料 18㎝タルト型1枚分>
・冷凍パイシート 1枚
・ベーコン 2枚
・ゆでたブロッコリー 50g
・卵 2個
・生クリーム 100ml
・ピザ用チーズ 50g
冷凍パイシートは解凍し、麺棒で2mm厚さまで伸ばします。タルト型にパイシートを敷きます。パイシートの上にフォークで数か所、穴をあけます。
ベーコン、ゆでたブロッコリーをフライパンで軽く炒め、塩・コショウをします。ボウルに溶き卵、生クリーム、ピザ用チーズを入れて混ぜ、その中に炒めたベーコンとブロッコリーを入れます(フィリング)。パイシートの上に、フィリングを入れ、200℃のオーブンで、15分~20分焼きます。
冷凍パイシートのカロリーは?
おいしい冷凍パイシートを使ったお菓子や料理。でも、油をたっぷり使うパイ生地のため、気になるのはカロリーです。
業務スーパーは1枚(84g)あたり300kcal。カロリーを他メーカーのパイシートと比較してみます。
メーカー | 1枚あたりのカロリー(g) |
---|---|
業務スーパー | 300kcal(84g) |
COOPのパイシート | 313kcal(75g) |
オーマイパイシート | 368kcal(100g) |
明治パイシート | 543kcal(130g) |
マルハニチロ パイシート | 270kcal(75g) |
1枚あたりの重量に差はあるものの、業務スーパーのパイシートは、比較的カロリーは低めですね。
業務スーパー以外のメーカーでは、発酵バターやマーガリンを原材料に使ってるものが多いです。業務スーパーの冷凍パイシートは、カロリーがバターやマーガリンより低いファットスプレッドを使っているため、低カロリーなのではないでしょうか。
まとめ
他のメーカーよりも、枚数が多く手ごろな価格の業務スーパーの冷凍パイシート。味も悪くなく、普段使いとしてはもちろん、バレンタインのプレゼントなどに十分使えると思いました。べとつきにくく、ボロボロと崩れにくいので、初めて冷凍パイシートを買う人も、使いやすいと思いますよ。
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