雨が降り続く日、湿度について話題になることがありますよね。洗濯物が全然乾かず、「こんなに毎日降り続いたら湿度100%なのでは?」なんて思うことも。ん?そもそも湿度100%ってどんな状態?100%というのだから、水の中と同じ状態を差すのでしょうか。
そこで今回は「湿度100%」について調査。
- 湿度100%は水中にいるのと同じ?
- 湿度100%って?
- 湿度100%はありうるの?
- 湿度100%だと洗濯物は乾くの?
について調べてみました。湿度が高いときの洗濯物の乾かし方についても紹介しています。良ければ参考にしてみてくださいね。
Contents
湿度100%は水の中と同じなの?
湿度0% 水分なし カラカラ
湿度100% 水分であふれる じゃぶじゃぶ
…というイメージから水の中と同じなのでは?と考えてしまいがちですが、結論から言うと、「湿度100%」は水の中とは違います。
ざっくりいうと湿度とは「空気」の湿り具合を示したもの。
「空気の中にある水分量(水蒸気量)が、最大量と比べて、どのくらいの割合であるかを示している」んです。
ここで注目したい言葉が「空気の中にある水分量」。そもそも水の中には空気は含まれていないので、湿度という概念自体が成り立たないですよね。
ちなみに、一般的に天気予報で用いられる湿度は「相対湿度」のこと。気象庁のホームページを見てみると、この相対湿度とは、
相対湿度は水蒸気量とそのときの気温における飽和水蒸気量との比を百分率で表したもの。
出典:気象庁公式サイトの予報用語より
とあります。
これに対し、縦・横・高さ1メートルの空間に含まれる水蒸気の重さが何グラムかを示す「絶対湿度」というものもあります。
湿度100%はどういう状態?
湿度100%は水の中とは違うというのは分かりましたが、そこで気になるのは「じゃ、どんな状態が湿度100%なの?」ということ。
湿度が100%というのは、空気の中の水分量が100%になり、それ以上水が蒸発することができない状態のこと。蒸発できない水分は空気の中で持ちこたえらえず、水滴となります。わかりやすい例で言うと、「雲の中」がこの湿度100%の状態です。
上空に浮かんでいるのが雲、地表近くに浮かぶのが霧なので、霧の中も湿度100%。ただ、地表の条件(気温や空気の流れ、霧が発生した場所など)によって湿度80~90%でも霧であることもあるようです。
こんな状態は……。湿度100%、あるいはそれに近い状態なんですね。
お風呂場も、高い湿度であることは間違いありません。お風呂場の室温や広さ、お湯の温度や湯気の量によって、湿度100%に近い状態にはなりますが、完全な湿度100%とするにはいろいろ条件が必要そうです。
ちなみに、お風呂とは違いますが、蒸気をたっぷり充満させる温式サウナの「ミストサウナ」の湿度は100%です。
湿度100%の中に放り込まれたとしたら、どうなるのかというと、「じっとしても、全身が水分で濡れる状態」。なので知らない間にずぶぬれ。また、「これ以上水分が蒸発できない状態」なので、洗濯物を干しても、繊維の中の水分が蒸発できず、いつまでも洗濯物は濡れたままです。
ちなみに、上空における湿度100%の雲の中ですが、「もうこれ以上蒸発できない!」となった水分はどうなるのでしょうか。こうした水分は、ホコリやチリなどの粒子について水の粒となります。それが重力によって地上に落ちたものが「雨」になります。
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結露や冷たいグラスの水滴も湿度100%?
雲やミストサウナの中は湿度100%。でも実はとても身近な場所にも、湿度100%になる例があります。冬などによく窓ガラス付近に発生する「結露」も、湿度100%によって発生する現象です。
そう聞くと、「結露が出る時期は、お部屋も湿度100%になってるの!?」と思ってしまいますよね。でも結露が発生するのは、湿度が100%になっている結露付近の場所のみ。部屋自体の湿度が100%ではなくても、冷たい窓ガラスの表面の近くが湿度100%になっていると結露が発生します。
実は、空気が抱え込める水分量(これ以上蒸発できない水分量)は温度によって変わり、気温が高いほどその水分量は多く、低くなるほど水分量は少なくなります。だから窓際近くの気温の低い場所だと、水分を多く抱え込むことができなくなり、結露となってしまうんです。
雨の日は湿度100%?
いろいろな湿度100%のケースを紹介してきましたが、普通に暮らす中で、湿度100%という状態はありうるのでしょうか。
そこでまず頭に思い浮かぶのが「雨の日」。ザーザー降っている日は、お風呂場やミストサウナの中よりも水に濡れるイメージで、100%はあってもおかしくないですよね。でも通常は100%にはならないのだそう。
「ホント?」と思ったので、雨が2日ほど続いた日に、屋外に湿度計を置いて湿度をはかってみました。その結果がこちら。
設置した場所にもよると思いますが、湿度は85%ほどでした。
湿度100%とは、先ほども紹介したように、ただ立っているだけでも体に水滴が付き、濡れる状態。でも、雨の日は傘を差していれば、その部分は濡れることはないですよね。湿度100%に近い状態になることはあっても、完璧な湿度100%にはならないようです。
また、湿度100%だと「これ以上空気中の水分が蒸発できない」ので、洗濯物もずっと濡れたままの状態になっているはず。でも屋外の雨に濡れない場所に干しておいた雑巾など、知らない間に乾いていることってありませんか?つまりは「水分を蒸発できる状態=湿度100%ではない」ということになります。
湿度が高い日に、洗濯物を上手に乾かすには?
湿度が高いとき、困るのが洗濯物。
どうしたら早く乾かすことができるのでしょうか。
まず大事なのは「湿度」。一般的に、洗濯物が乾きにくくなるのは、湿度50%以上の時と言われているので、除湿器やエアコンのドライ機能などを使って、湿度が50%以下になるように調整します。
次に気を付けるのは「温度」。気温が低いほど乾きにくいので、室内干しの場合は最低でも室温を20度以上にしておきます。その上で、洗濯物の周辺で空気が滞留しないように、扇風機やサーキュレーターを使って、干した衣類の間に風が通るようにします。
洗濯物を干す場所にもひと工夫!窓際など気温が下がる場所や、空気が停滞しやすい部屋の端は避けて、部屋の中心に干すようにします。湿気を含んだ空気は下にたまりやすいので、できるだけ高い位置に干した方が乾きやすくなります。
まとめ
湿度100%についていろいろご紹介してきました。ざっくりまとめると
- 湿度100%とは、空気中の水分がこれ以上蒸発できない状態
- 湿度100%=水の中 ではない
- 雲や霧の中、ミストサウナの中は湿度100%
- 雨の日にも湿度100%にはならない
- 湿度が高い日の室内干しは、除湿をして室温を高くし、空気を循環することが大事
ということがわかりました。参考にしてみてくださいね。
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