夏の水分補給には、麦茶が欠かせないという人も多いはず。でもポットの手入れをサボったり、麦茶を入れっぱなしにしてしまったりすると、ポットに黒ずみ、ひどくなるとカビが生えてしまうことも……。
そこで今回は、麦茶のポットに発生する黒ずみ、カビの除去方法をご紹介します。実際に、評価が高い洗浄方法も試してみましたが、あまり効果が感じられないものも……。
麦茶ポットのカビや黒ずみが気になる方は、参考にしてみてくださいね。
Contents
麦茶ポットに付くカビの落とし方
麦茶ポットに付いた黒ずみやカビ。
「黒ずみやカビといったら漂白剤かな?(カビ取り剤のイメージ)」と何となく考えていたのですが、軽いものであれば、他の方法でも落とせることがわかりました。汚れが軽い順に、落とし方を紹介していきますね。
卵の殻を使って落とす
本格的なカビに進行する前の茶渋や黒ずみ、軽いカビには「卵の殻」を使うのがおすすめ。
卵の殻には、「炭酸カルシウム」という成分が含まれています。炭酸カルシウムは80度以上のお湯を加えると、酸化カルシウムと二酸化炭素が発生。アルカリ性の酸化カルシウムは、酸性の汚れであるカビや黒ずみに反応するので、汚れが落ちるのです。
具体的な洗い方を紹介しましょう。卵の殻は細かく砕いて、麦茶ポットの中に入れます。
卵の殻はポリ袋の中に入れ、上からスプーンなどで押して砕くと、殻が飛び散らず、簡単に細かくなります。手で砕いてもいいのですが、ぐいっと力を入れて砕かないように注意!けっこう卵の殻って砕かれる段階で痛いんです……。
卵の殻の量は、1リットル入りのポットの場合、3~4個ほど。砕いた卵の殻をポットの中に入れ、ポットの1/3くらいのお湯(80度以上)を加えます。そのまましばらく放置して、お湯を冷まします。
麦茶ポットは注ぎ口などに隙間が空いているものが多いので、お湯を注ぎ入れたあと、一度時間を置いて冷ますようにして下さい。熱いお湯の状態でポットを振り洗いすると、隙間から熱いお湯が出てとても危険です!
卵の殻を使うと、酸化カルシウムのアルカリ性の液が汚れを落とすだけでなく、細かく砕かれた卵の殻がクレンザーのようになって黒ずみやカビを落としてくれます。
30秒~1分ほどボトルを振ってみたあとの水溶液の様子がこちら。透明だった水溶液が、茶色混じりの白濁した色に変わってます!
その後すすいでみると……。完全に黒ずみがなくなっているわけではないですが、かなりきれいになっていることがわかります。
塩素系漂白剤を使って落とす
濃い茶渋や黒ずみ、色素沈着してしまったカビを落とすには、塩素系漂白剤がおすすめです。特にパッキンについたカビは頑固なので、卵の殻や洗剤でも取れにくいため、漂白剤でしっかり落としましょう。除菌もできるので、その後作る麦茶も安心して飲むことができますね。
漂白剤は、「キッチンハイター」「キッチンブリーチ」がおすすめです。
麦茶を煮出すと、大麦から出る油分がわずかですが麦茶に出ることも。キッチン用の漂白剤には界面活性剤が含まれているので、油分もきれいに取ることができるんです。
麦茶ポットのカビ落とし、ちょっといまいちだった方法
黒ずみやカビ落としの方法で、おすすめとされているものを試したところ、「あれ?思った以上に落ちないなあ」と思うものもありました。それが、三角コーナーや排水口汚れなどの汚れ落としでもよく紹介されている「クエン酸と重曹」を使う方法。
この方法は、アルカリ性(重曹)と酸性(クエン酸)を混ぜると反応すると発泡するため、その発泡パワーで汚れを落とす……というものです。
しかし……。何度か試してみましたが、確かに発泡はするものの、絶賛されているほど、ぬるつきや黒ずみ、カビがきれいになるというのは感じられなかったんですよね。
黒ずみが感じられるパッキンなども、クエン酸と重曹の水溶液に1時間以上漬けておいたのですが、あまり変化は感じられず……。
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ただ、クエン酸と重曹で発泡させたあと、スポンジでこすると、黒ずみやカビ(色素が沈着していないもの)はある程度きれいになりました。でもスポンジでこするのが前提であれば、特にクエン酸や重曹を使う必要はないのでは?と正直思いました。
- 麦茶がナチュラルな飲み物だからこそ、洗浄剤も自然なもので
- 子どもが飲むからケミカルなものは避けたい
……と考える人も多いのかもしれませんが、かなり手強い黒ずみや色が沈着してしまったカビは、適正な濃度で漂白剤を使う方が手っ取り早くきれいになると思います。
麦茶ポットのカビはなぜできる?
麦茶ポットに付く黒ずみやカビの落とし方について紹介してきましたが、なぜ黒ずみやカビが発生するのか理由がわかれば防止にもつながるはず。
……ということで、黒ずみやカビがなぜ麦茶ポットに発生するのか調べてみました。
■麦茶は傷みやすい飲み物だから
麦茶には麦に含まれる炭水化物が入っています。それが雑菌の栄養となりやすいのに加え、緑茶に含まれる殺菌効果があるカテキンは含まれていません。
■プラスチックの容器は汚れやすいから
プラスチックの容器は細かい傷がつきやすく、そこに雑菌や汚れがたまりやすくなります。
■煮出した麦茶は冷ましている段階で雑菌が繁殖しやすい
麦茶を煮出した場合、急冷させないと、雑菌が繁殖する20~30℃で急激に菌が増えてしまいます。
簡単に言うと、「麦茶は傷みやすい飲み物。保存状態によっては一気に雑菌が増える可能性もある。プラスチックはキズが付きやすく、黒ずみやカビも発生しやすい」。
ただ、一見カビのように見えても、実際は全然違うものもあります。カビではない沈殿物などについては下記で紹介しています
カビた麦茶を飲んでしまったら
麦茶を飲む前に気づけばいいけれど、のどがカラカラでぐいぐい飲んでしまったあと、麦茶ポットの中にカビを発見……ということもあるのでは?
カビが生えた食べ物や飲み物を多少摂取しても、すぐには「お腹が痛い」「下痢になる」といった食中毒の症状は出ないことは多いそう。
でも麦茶の中にカビから作られるカビ毒が含まれていることも考えられるため、勿体なくても飲まずに処分するのがベター。
また、カビが生えてしまった麦茶は、その時点でかなり変質しています。カビは確認できなくても、「何か土臭い」「えぐみがある」「酸味」などの異変を感じた場合は、処分する勇気も必要ですね。
麦茶ポットのカビ防止策
麦茶ポットに黒ずみやカビができる原因がわかれば、おのずからそれを防ぐ方法もわかってくるというもの。次は麦茶ポットのカビを防ぐ方法について調べました。
■清潔な容器で保存する
雑菌が水分が多い場所で発生しやすくなります。麦茶の容器は空になったら、毎回しっかり洗って乾燥させて使うようにします。
■キズが付いている器は避ける
軽くて値段も手ごろで扱いやすいプラスチック製の容器。でも、柔らかいスポンジで洗っても表面に細かい傷ができやすく、その傷に茶渋などの汚れが入り込んで黒ずみが発生することも。
その汚れを養分にして、カビが発生することもあります。黒ずみ・カビ防止のためには、麦茶の容器は、キズ付きにくいガラス製ポットがおすすめです。
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■50℃以上のお湯で洗う
カビの発生を抑えるためには、50℃の湯を5秒以上かけることが有効なのだそう。容器の耐熱温度が50℃以上であるなら、容器を洗ったあとに50℃以上のお湯ですすぎ洗いをすれば、カビの発生を防ぐことができます。
■麦茶は早めに飲み切る
麦茶は傷みやすいため、日持ちはしません。作って2~3日以内に飲み切るようにします。
■麦茶パックを入れっぱなしにしない
麦茶パックには、原料である麦の炭水化物なども含まれているため、入れっぱなしにすると、それを養分にして雑菌やカビが繁殖してしまいます。麦茶パックは、煮出したらすぐ、水出しの場合、2時間ほど置いて成分を抽出させたら取り出すようにしましょう。
■煮出した麦茶は急冷させて、早めに冷蔵庫に入れる
カビが繁殖しやすい温度は20~30℃。麦茶を煮出し、冷ましている間に空気中のカビや雑菌が入り込み、増殖してしまう可能性も……。繁殖しない温度まで一気に冷ますようにします。
■麦茶パックは密閉容器に入れる
麦茶パックは不衛生な状態で保存すると、空気中の雑菌やカビの胞子が付いてしまうこともあります。すると、麦茶にしたときに雑菌やカビが発生してしまう可能性も高くなります。
麦茶パックを購入したら、密封できる入れ物に入れて、高温多湿を避けた場所で保存します。
まとめ
麦茶パックに生えたカビの落とし方についてざっくりまとめると
- 頑固な生えてしまったカビや黒ずみには、塩素系漂白剤がおすすめ
- 軽い黒ずみや茶渋、カビには、卵の殻を使った洗浄方法も効果あり
- 麦茶は傷みやすく、カビが発生しやすい飲み物
- 清潔な容器で保存し、早く飲み切るのがカビを生やさないために大切
麦茶にカビが生えないように早く飲み切り、カビが確認できたら漂白剤や卵の殻などで早めにきれいにするのが大切と言えそうです。
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