季節は11月に入り、焼き芋屋さんの車もちらほら見かけるようになりました。「ZIP!」の焼き芋の一件から、焼き芋づいている我が家。前回のオーブンで焼くレシピでは、本当においしい石焼き芋ができて感激したのですが、時間がかかるのが玉にキズなんですよね。そこでもっと手軽にできないかとレシピを探していたら……。
なんと、「電子レンジでできる石焼き芋」というレシピが! 加熱時間も30分以内とかなり短縮できるようで、これなら「焼き芋食べたい」という急な子供のリクエストにもこたえることができます。早速挑戦してみました!
ZIP!の焼き芋に挑戦した過程はこちらをご覧ください。
前回のオーブンで焼く石焼き芋のレシピはこちら。
電子レンジで作れる石焼き芋とは
今回、見つけた作り方は、NHKの番組「すいエンサー」で紹介されたというレシピです。電子レンジ加熱&仕上げにオーブントースターで焼くだけで、石焼き芋さんの「ねっとりした焼き芋」を再現できるのだとか。電子レンジだと、どうしてもホクホク感が強い「ふかし芋」っぽくなるイメージですが、それがどうやって「ねっとりした石焼き芋」になるのか気になるところです。
早速作ってみましょう!
<材料>
・さつまいも
・塩
・水
・ラップ
・バター
・しょうゆ
今回用意したサツマイモは、家庭菜園をやっている近所の友達からのおすそ分け。芋の品種はわかりませんが、スーパーなどで販売されている一般的な「さつまいも」(ブランド芋ではない)のようです。さつまいもの直径は5センチ、長さ15センチくらいのものを選びました。
※加熱時間について
番組では、さつまいもは1個だけ使用しており、レンジ強で2分、弱(解凍モード)で20分加熱していました。
今回、使用するさつまいもの数は2個です。材料も倍だからと、単純に加熱時間を倍にすると加熱しすぎの可能性もあるため、加熱時間は2倍弱(1.5倍~1.8倍くらい)を目安に加熱しています。使用するレンジの機種によっても、加熱時間は若干異なると思いますので、ご自宅の電子レンジの様子を見つつ、加減してくださいね。
<作り方>
1.芋を塩水に1時間以上浸す
これはZIP!のレシピと同じですね。やはり塩が甘さを引き出す効果を狙っているようです。水1リットルに対し、7グラムの塩を入れたものを使用しました。食塩7グラムは、小さじ1杯強に相当します。
2.芋をラップで包み、電子レンジ強(500W)で2分加熱する
番組レシピでは、濡らしたキッチンペーパーでくるんでから、ラップで包み、加熱とあります。が、キッチンペーパーをちょうどきらしていたので、お芋をそのままラップに包んで加熱してみました。このキッチンペーパーの効果って何でしょうね?これが決定的な失敗に繋がらなければいいけれど……。
レンジ強で加熱するのは、さつまいものでんぷんを分解するβ-アミラーゼという酵素が活発になる温度(65度~75度)まで、一気に温度を上げるという狙いがあるようです。番組レシピではレンジ強で2分加熱ですが、うちはさつまいも2個なので、その1.5倍強にあたる3分30秒加熱しました。
加熱しすぎが心配なので、2分後に取り出してみました。中心部の温度を計ってみると、うう~ん、まだ全然、アミラーゼが活発になる温度65度には達していません。
3分過ぎたころ、加熱している途中に、レンジの中から、「ププー」「ピー」という食材が加熱されているときに、ラップからもれる音(わかります?)が聞こえてきました。順調に加熱されているようです。この音を目安にしてもいいかもしれませんね。
3分30秒後、中心部を計ると、ちょうどいい温度になっていました。
3.電子レンジの解凍モードで20分加熱する
次は、電子レンジ弱(または解凍モード/約150ワット~200ワット)に切り替えます。うちのレンジは200ワットでした。番組レシピでは20分加熱でしたが、うちはさつまいも2個ということを考慮し、加熱時間は1.5倍にしてみました(30分)。
電子レンジの解凍モードを使うのは、さつまいものでんぷんを分解して甘くするβ-アミラーゼという酵素が活発に働く温度を保つため。レンジ強モードだと、その温度を突き抜けて加熱してしまうので、酵素がうまく働かず甘さがうまく引き出されないのだとか。これも前回のオーブンの温度を2段階に調節して焼き上げるというオーブン焼き上げ方法に似てますね。前回うまくいったので、今回も期待が高まります!
加熱時間が20分過ぎたころ、1回取り出して、温度を計ってみました。
が! あらら、なんと、かなり温度が高くなっていて80度を超えています。ウーン、解凍モードでも温度は高くなるんですね。油断できません。とはいえ、これは機種によるところも大きいのかも。うちはいまだにぐるぐる回るターンテーブル式のシンプルな電子レンジですが、こまめに食材中心部の温度を計測し、適温を保つハイエンドモデルであれば、こんな失敗はないかもしれません。
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しばらく置いて適温になるまで待ち、再び加熱しました(トータルの加熱時間は変更なしの30分)。
加熱が終わったので、レンジから取り出します。触るとやわらかいですが、オーブンで焼き上げたときと比べると若干固めです。普通にレンジで芋をふかした時よりやわらかいですが、オーブンで焼き上げた時よりは固い、という印象でしょうか。焼き芋特有の香ばしい香りは、残念ながらしませんね。
4.バターとしょうゆを塗ってオーブントースターで焼く
次に、バターを全面に塗ります。続いてしょうゆも全体に塗り、オーブントースターで4分加熱します。なぜバターとしょうゆ?と思いますが、これは、焼き芋屋さん独特の香ばしい香りを再現するためなのだそう。確かにレンジで加熱しただけだと、「ふかし芋」の域を超えてない気がします。
今回は、1本にはバターしょうゆを塗り、もう一本はそのままの状態で焼きました。いや、わざわざ、バターしょうゆ塗るの面倒くさいじゃないですか。焼き比べてみて、それほど差が感じられなかったら、次回はバターしょうゆ塗るのやめようと思いまして、その比較として1本ずつ変えて焼いてみました。
また、うちはオーブントースターがないので、オーブンの「グリル機能」を使用しました。もしかしたら、魚焼きグリルなどでも代用できるかもしれません。
ちなみに、今回の焼き目を付ける時間は、番組レシピと同じ4分にしました。
5.完成
オーブンを開けると、おお!焼き芋のような香ばしい香りが確かにします!
早速、バターしょうゆを塗った方を割ってみます。熱がよく伝わる天パン部分や火があたる上の部分は焦げ目がついているのがわかります。
バターしょうゆを塗っていない方も、少し焦げ目がついています。やはり直接、高温で焼き上げると、焼き芋っぽさが俄然高くなりますね!
6.実食!
さっそく試食です。
最初は、バターとしょうゆを塗っていない方から。前回のオーブンで焼いた時と比べると、ホクホク感が強めで、ねっとり感はやや少なめという印象です。通常のレンジ加熱だと、いまいちさつまいもの甘さが控えめになるのですが、今回はしっかりと甘さは引き出されています。甘いです!焼き目のところは、やや香ばしい感じがします。
続いて、バターしょうゆを塗った方を食べてみます。
これは!
ひと口たべてびっくり! なるほど! バターしょうゆがうまくきいてます! おいしい! 高温で仕上げに焼くことによって、しょうゆとバターが焦げて焼き芋の皮の香ばしさを再現されたのでしょう。しょうゆの塩辛さも甘さを引き出す効果があるようです。バターが入ると、その油分でねっとりさも加わるようで、バターしょうゆを塗っていない方より、「香ばしく、ねっとりした焼き芋風」になっています。これだけ違うなら、ちょっとの手間は必要ですが、塗った方がいいと思いました。
電子レンジで作れる石焼き芋の感想
電子レンジの強・弱モードを切り替えて加熱し、最後にオーブントースターで焼き目を付ける。前回と同じ、β-アミラーゼが活発になる温度設定がポイントでした。
味はというと、おいしいのですが、オーブンで焼き上げた前回の時ほどの「うわあ~!石焼き芋だ!コレ!」という感動は正直なかったです。おいしく甘さも十分なのに、なぜだろう?? 以下、分析した結果です。
・皮目と実の間の香ばしさが足りない
前回は、皮と実の間に焦げ目がついた部分が多く、それが焼き芋独特の香ばしさを再現できていた。石焼き芋は、皮がおいしいという人も多いはず。それが足りない気がする。
・どちらかというと、ねっとりよりホクホクが強め
バターしょうゆを塗った方はねっとり感が再現されている気がするが、それでも前回の時のような石焼き芋独特のねっとり感とは少し違うような……。どちらかというより、ホクホク感が強い。ねっとり感再現のために、バターとしょうゆに頼っているのも、何となく解せない。
また、番組レシピでは30分以内でできるのですが、あくまでもさつまいも1本分を作る計算です。おやつ1人分の焼き芋を作るならいいでしょうが、数人分の焼き芋を作る場合、加熱時間は長くなります。今回、うちは2本のサツマイモを使いましたが、トータルでかかった時間は40分。3本焼く場合は、1時間弱かかる計算になります。数本の焼き芋を作る場合、オーブンで焼き上げるレシピとあまり時間は変わらないんですよね。
ただ、オーブンを持っていない家庭で、電子レンジだけで石焼き芋を作りたいという人には、覚えておいて損はないレシピだと思います。
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