台所用の漂白剤が切れたので、家族におつかいを頼んだら
「『ハイター』『ブリーチ』の2種類があるけど、どちらを買ってくればいいの?」
との返事。
私はいつも値段だけを見て、安い「ブリーチ」の方を選んでいるのですが、改めて考えると「ハイター」「ブリーチ」ってどう違うのか気になってきました。
そこで今回は「キッチンハイター」「キッチンブリーチ」の2つの違いについて大調査。
調べていると、成分の違いやボトルの色の理由など、知らなかった事実がたくさん出てきましたよ。
とても面白かったので、シェアしますね!
Contents
「キッチンハイター」「キッチンブリーチ」の成分の違いは?
キッチン用の漂白剤、左側が「キッチンハイター」、右側が「キッチンブリーチ」です。
画像の「キッチンブリーチ」は、100円ショップのダイソーで購入したもの(メーカーは不明)。ドラッグストアでも「キッチンブリーチ」という商品名で各種メーカーから販売されていますね。安売りの時は60円くらいで販売されていることもあります。
一方、「キッチンハイター」は100円ショップでは販売されておらず、ドラッグストアなどで200円前後(今回購入時は税別148円)で販売されています。価格は「キッチンハイター」の方が高いです。
激安の「キッチンブリーチ」とは倍以上の価格の差がある「キッチンハイター」。そんなに価格が違うなら、成分にも差があるのでは?と、ラベル裏の成分をチェックしてみました。
■キッチンハイター・キッチンブリーチの成分
<キッチンハイター>
次亜塩素酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、水酸化ナトリウム
<キッチンブリーチ>
次亜塩素酸ナトリウム、アルキルアミンオキシド、水酸化ナトリウム
キッチンハイター、キッチンブリーチで共通している成分は、「次亜塩素酸ナトリウム」「水酸化ナトリウム」でした。それぞれどのような効果があるのかというと……。
- 次亜塩素酸ナトリウム
漂白剤の主成分で、殺菌・漂白の働きがあります。ツーンとしたにおいが特徴。
「プールの塩素のにおい」といったらこれ! - 水酸化ナトリウム
アルカリ剤。
1つだけ、違う成分は「アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム」(キッチンハイター)、「アルキルアミンオキシド」(キッチンブリーチ)。
これは2つとも汚れにくっつきやすくなる働きがある「界面活性剤」です。どんな違いがあるのでしょうか。
陰イオン界面活性剤
もっとも代表的な界面活性剤。洗浄力が強く、泡立ちもよいので、多くの化粧石けんや衣料用洗剤、台所用洗剤、シャンプー、ボディソープなどに使われています。■「アルキルアミンオキシド」(キッチンブリーチ)
両性界面活性剤
水に溶かしたとき、phによってそのイオン性が変化する界面活性剤。洗浄力や泡立ちをよくする補助剤として、台所洗剤やシャンプーに多く用いられています。
どちらの界面活性剤も、汚れを落とす洗浄の働きをするもの。主成分が「次亜塩素酸ナトリウム」なので、漂白・殺菌効果には大きな差はありません。
用途は2つの商品ともに
- ふきん、おしぼり、まな板、哺乳瓶、茶シブなどの漂白・除菌・消臭
- 冷蔵庫の除菌・消臭と同じです。
同じ漂白剤なのに「ハイター」「ブリーチ」名前が違うのはなぜ
成分も使用用途も効果も同じ。なのに名前が「ハイター」「ブリーチ」と違うのはどうしてなのでしょうか。
そこで注目したのが、製品名と製造メーカーとの関連性です。違いについて一覧にしたのが下の票になります。
名称 | メーカー |
---|---|
ハイター | 花王 |
ブリーチ | ライオン、ロケット石鹸、NSファーファ・ジャパン(旧 ニッサン石鹸) カネヨ石鹸 第一石鹸、ミツエイ、など |
面白いことに、「ハイター」という製品名を使っているのは花王だけ。なぜなのかその理由を調べてみたところ、
「ハイター」は塩素系漂白剤のブランド名として、花王が商標登録している名前である
ことがわかりました。
ちなみに「ブリーチ」という商品名は、英語の「bleach(ブリーチ/漂白という意味)」からきているようですよ。
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■キッチンハイター、キッチンブリーチの違いまとめ
キッチンハイター(600ml) | キッチンブリーチ (600ml) |
|
---|---|---|
価格 | 150~200円 | セールで60円くらいのことも。 平均100円前後 |
成分 | 次亜塩素酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム、水酸化ナトリウム | 次亜塩素酸ナトリウム、アルキルアミンオキシド、水酸化ナトリウム |
メーカー | 花王 | ライオン、第一石鹸、カネヨ石鹸など |
「キッチンハイター」「キッチンブリーチ」どちらを使った方がいい?
これまで、「キッチンハイター」「キッチンブリーチ」の成分や用途、価格などについて説明してきましたが、中には
- 大手メーカーの方が安心して使えるのでは?
- 漂白剤って危険なイメージ。値段が高い方が安心できるのでは?
など、どちらを使った方がいいのか悩む人もいるのではないでしょうか。
先にも述べましたが、2つの違いは使われている界面活性剤の種類だけ。
成分の配合量も、除菌・漂白の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が最も多く、次いで界面活性剤、水酸化ナトリウムというのも同じです。
製造しているのも、洗剤や石けんの老舗メーカーが多いですね。品質的には問題なく使えそうです。
「ハイター」「ブリーチ」は、洗濯や浴室のカビ取りにも使える?
漂白効果のある「次亜塩素酸ナトリウム」は、カビ取り剤などにも使われていますよね。
そのため、「浴室のカビ取りに使いたい」「頑固なシミ抜きに使えないかな」と思う人もいるはず。私もそう思ってました。
でも一概には「使える」とは言えないようです。メーカーに問い合わせたところ、
キッチン用の漂白剤は、台所専用に作られた洗浄漂白剤。
次亜塩酸ナトリウムを使っている商品は、キッチン用だけでなく他にもいろいろあるが、掃除をする場所や用途によって、その濃度が違う。界面活性剤の成分・濃度にも違いがある。より効果を発揮できるように、違う成分を配合していることもある。
とのこと。
たとえば、浴室のカビ取り剤は次亜塩酸ナトリウムの濃度を高くしているだけでなく、汚れへの密着などを考え安定剤やゲル化剤などを配合しているものもあるのだそう。
そういえば、花王の「ハイター」は、キッチン用だけでなく、場所や用途によってさまざまなラインナップが用意されていますよね。
餅は餅屋ではないけれど、納得の結果を出したいのであれば、その場所にあった漂白剤を選ぶのがベストかも。
キッチン漂白剤の容器はなぜどこも一緒なの?
「キッチンハイター」や、各社から販売されている「キッチンブリーチ」、遠くから見ると、どちらがどっちだかわかりませんよね。
両方とも、ピンクのキャップにグリーンの本体。ラベルの色使いも似ているし、「まぜるな危険」の配置場所も同じ。何か漂白剤には「キャップはピンク、ボトルはグリーンであるべし!」という決まりでもあるのでしょうか。
調べてみると、どうやらキャップや本体の色に特に決まりはないようです。ただし、取扱いに注意が必要な塩素系漂白剤であるため、
- だれが見てもすぐに塩素系漂白剤とわかるように
- 他の洗剤や飲料と間違って使われたり、飲んだりされることがないように
などを配慮し、同じような色使いの容器になっているのだと思われます。
まとめ
キッチンにストックしてあるというのに、深く「ハイター」「ブリーチ」の違いを考えたことがなかった私。「ハイター」が商標登録されていたというのも今回初めて知りました。
安価なキッチンブリーチと、専用に成分を配合している用途別の漂白剤をうまく使い分けていきたいですね。
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