春先に、ダイニングキッチンのテーブルで作業をしていたら、テーブルの上にゴマが一粒落ちているのを発見。
布巾で拭こうとしたら、なんとそのゴマが動き出す!よ~く見たらそれは虫でした。
おかあさん、それ、「シバンムシ」っていう害虫だよ
ゴキブリや蟻などの虫対策として、ハッカ油を使っている私ですが、このハッカ油は「シバンムシ」という虫が寄ってくるという噂もあるのだそう。対策するはずが、逆におびき寄せてしまうなんて最悪ですね。
そこで今回は、ハッカ油とシバンムシについてリサーチ。
- ハッカ油にシバンムシが寄ってくる?根拠は?
- ハッカ油にヒバ油をプラスすれば、シバンムシ対策になる
- 害虫対策以外のヒバ油の使い方
- ヒバ油を使う上での注意点
実際にシバンムシを生け捕り(?)にして、ハッカ油を使い実験もしてみました。「ハッカ油を使いたいけど、シバンムシが増えそうで怖くて使えない」という方は、参考にしてみてくださいね。
Contents
ハッカ油にシバンムシが寄ってくるって本当?
こちらがうちの台所にいたシバンムシ。
シバンムシは、パスタや乾麺、穀物などの食料や畳、タバコの葉、木材や古い紙などを食べる害虫です。漢字で書くと「死番虫」と何やらホラー作品のタイトルみたいですが、人体への影響はありません。彼らが求愛行動を行う際にコチコチと鳴る音が「死に神の持つ時計」を想起させるので、こんな名前になったのだとか。
さて、このシバンムシ。ネットで調べてみると「シバンムシはハッカの匂いが好き」「虫よけにハッカ油を使ったら、シバンムシが寄ってくる」「ゴキブリやハエ、蟻には効くけど、シバンムシには効かない」という情報がちらほら。しかし、結論から言うと、ハッカ油がシバンムシを引き寄せるという科学的な根拠はないのだとか。
ハッカ油に含まれているスーッとする「メントール」は、一般的な虫にとっては刺激になる成分。そのほか、防虫剤などにも含まれる「シネオール」も微量ながら含まれています。
また、わずかに含まれているリモネンは、虫の動きを麻痺させる効果もあると言われており、多くの虫にとっては避けたい物質であるはずなんです。
それなのに、なんで寄ってくると言われるの?
多くの虫にとっては苦手なハッカの香りですが、シバンムシに限っては忌避効果が低いのかも。決して誘因しているわけではないですが、ハッカ油でゴキブリなど他の害虫の被害が少なくなった分、シバンムシが悪目立ち(?)しているという可能性もありますね。
また、SNSなどでは「ハッカ油を使い出してから、シバンムシが発生し始めた」という投稿も定期的に見られるのは確か。科学的に証明されていないだけで、もしかしたらハッカ油に魅力を感じるシバンムシもいるのかもしれません。
よし!それなら実験してみよう!ということで、ハッカ油を使い、生け捕りしたシバンムシにどんな影響があるのか調べてみることにしました。
箱の両端(2カ所)に、シバンムシが好きなパスタを置きます。そのうち1カ所には、パスタとともにハッカ油の香りがする布を置き、もう1カ所にはパスタのみ置きました。
シバンムシを放ってみると……。
一度はハッカ油が置いてある方に進むのですが、すぐに踵を返し、ものすごい速さでもう片方のパスタの方に進んでいきました。
すごい!逃げてるみたい!やっぱりハッカ油は苦手なんだね
意地悪して、逃げた方にハッカ油の布を置いてみると……。やはりにおいが嫌なのか、もう片方の方に逃げていきます。
シバンムシはハッカ油のにおいは苦手というのは本当のようです。何度かハッカ油の布の入れ替えをして試してみたのですが、「寄ってくる」というのは確認できませんでした。
しかし、2時間くらい経過すると……。
なーんと、シバンムシはハッカ油の布が置いてある方に移動しているではないですか!さすがに布の上には乗りませんが、すぐそばに置いてあるパスタの穴に隠れています。
ハッカ油の香りを付けた布のにおいをかいでみると、ハッカ特有のスーッとしたにおいはすでに消えてしまっていました。ハッカ油の刺激的な香りが消えてしまったので、好物であるパスタに寄り付いたのかもしれませんね。
サンプル数も少ないので言い切るのは難しいですが、今回、1匹のシバンムシで実験した結果で分かったことは
- シバンムシはハッカ油の香りが苦手。逃げる
- しかし、時間が経ち香りがなくなると、エサに寄ってくる
ハッカ油の香りを持続させることが大事なようです。
シバンムシ除けには、「ヒバ油」も一緒に使う
ハッカ油をシバンムシ除けに使う場合、その香りを持続させることが大事というのが、1匹のシバンムシ実験でわかりました。でも、そんなにしょっちゅう香りをもたせるために、ハッカ油スプレーしまくるというのは現実的ではないですよね……。
そんな人におすすめなのが、「ハッカ油」と「ヒバ油」とのダブル使い!
ハッカ油だけでなく、ヒバ油も合わせて使うと、シバンムシの忌避効果が高まるのだそう!
ヒバ油って?
ヒバ油は、ヒバという木から抽出した油のこと。原料であるヒバはシロアリやゴキブリ、ダニなどの害虫を寄せ付けない木としても知られており、900年ほど前に建立された平泉の「中尊寺金色堂」も、このヒバで建てられています。
そんなヒバから抽出したヒバ油は、抗菌効果のある「ヒノキチール」と「β-ドラブリン」、虫を寄せ付けない「シトロネラ」を多く含んでいるのが特長。優れた防虫・防カビ、抗菌効果があるヒバ油は、古くから生活の場で活用されてきました。
ハッカ油はゴキブリや蟻、蚊除けに抜群の効果を発揮する優れものなので、シバンムシ発生が怖くて使わないのはもったいない~!同じく防虫効果があり、シバンムシの忌避効果が高いと言われる「ヒバ油」と合わせることによって、最強の防虫スプレーになるんです。
こちらがヒバ油。価格も10㏄で400円弱とお手頃です。
香りを嗅いでみると……「森の中にいるみたいな香り」。ヒノキチオールという成分が多いせいか、ヒノキ風呂に入っているような香りもします。ウッディで癒されるにおいですね。
このヒバ油は、ゴキブリ、蟻、コバエはもちろん、シバンムシ除けに効果は抜群!なんとムカデにも効果を発揮するのだそう。
……ということで、実験を再開!ハッカ油を染み込ませた布の上に、ヒバ油の香りをひとたらしして、パスタの中に隠れているシバンムシのそばに置いてみました。すると!シバンムシがそろそろと出てきて、香りが付いていない方に逃げていきます。
シバンムシはヒバ油の香りは苦手なようですね。
ハッカ油&ヒバ油スプレーの作り方&使い方
今回の実験では、ヒバ油と合わせることで、シバンムシ除け効果がさらに高まることがわかりました。そこで最強の防虫スプレー「ハッカ油&ヒバ油スプレー」の作り方を紹介します。作り方はとても簡単!
<材料>
無水エタノール 10ml (消毒用エタノールで代用する場合は15ml程度にする)
ヒバ油 10滴
ハッカ油 10滴
水90ml
スプレーボトル(ポリスチレン以外)
計量カップ
<作り方>
計量カップに無水エタノールを入れ、ヒバ油とハッカ油を加えます。水を加えてよく混ぜ、スプレーボトルに入れます。スプレーボトルはポリスチレン製でないことを確認しましょう。ポリスチレン製の場合、精油がボトルを溶かしてしまう可能性もあります。
使い方は、シバンムシが出没しそうな食器棚、ガス台下の食料棚、調味料入れ、ストック棚などに吹きかけるだけ。シバンムシの出没スポットは下記のとおり。
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- 粉類や乾麺、お菓子などの乾燥食品
- 畳
- ござ
- ドライフラワー
- 使わない割りばし
- 使わない竹串
- タバコ
- 和紙
- 本
- 古紙
- 動植物の標本
- 皮革
- 木材(家屋、家具)
何でも食べる虫なんだね
スプレーのほか、重曹や使わない保冷剤で置き型の芳香剤を作って、上記のシバンムシが出てくる場所に置くのもおすすめです。
<材料>
・重曹または保冷剤
・ハッカ油・ヒバ油
・お茶パック、プリンカップやペットボトルキャップ
<作り方>
重曹を使う場合、不織布のお茶パックに重曹を入れ、ハッカ油とヒバ油をたらせばすれば完成です。
保冷剤を使う場合は、ペットボトルキャップやプリンカップなどに保冷剤の中身を入れ、ハッカ油とヒバ油をたらします。香りが弱くなってきたら、重曹や保冷剤ジェルの上に直接精油をたらしてくださいね。
シバンムシの発生源が分かる場合は、そこに集中的に使えばいいのですが、どこから湧いてくるのかわからない場合は、普段の掃除の仕上げにハッカ油&ヒバ油スプレーを使い、シバンムシが出没しそうと思われる家中のあらゆる場所にハッカ油&ヒバ油芳香剤を置いてもいいかもしれません。
シバンムシだけでなく、同時にダニやゴキブリなどイヤ~な害虫の対策になるので一石二鳥
ペットボトルやプリンカップを使った芳香剤は、小さな子どもやペットが間違って口に入れないように、触れられない場所に設置してくださいね。
そのほかの駆除方法
ハッカ油とヒバ油を使った対策を紹介しましたが、大量発生した場合や、スプレーでの掃除がちょっと手間だと感じる場合は、市販の防虫剤や駆除剤を使うという方法もあります。
■テープ式の捕獲セット
ゴキブリホイホイのように、エサで誘引し、テープで捕獲するタイプです。
■フェロモントラップ
こちらはフェロモンで誘引して、ゴキブリホイホイのようにテープシバンムシを捕獲します。
■ドームトラップ
フェロモンで誘引して、容器(ドーム)の中に捕獲します。
■燻煙剤
殺虫成分が含まれる煙を部屋の中で発生させて、シバンムシを駆除します。
燻煙って煙だよね?同じ煙が出る蚊取り線香では効かないの?
市販の蚊取り線香には、ピレスロイドが含まれています。ピレスロイドは蚊には効果はありますが、シバンムシには効きません。
ヒバ油のそのほかの使い方
ヒバ油は虫対策としてだけでなく、入浴剤やアロマオイルとしても使えます。防虫対策として購入したものの、使いきれない場合は、違った方法で活用するのがおすすめです。
■入浴剤として
浴槽にためたお湯の中に、ヒバ油を数滴たらします。まるでヒノキ風呂に浸かっているかのような香り!ヒバ油はカビを防ぐ効果もあるので、お風呂場のカビ防止にも。
■アロマオイルとして
アロマディフューザーなどを使えば、部屋全体に香りを行きわたらせることができます。お部屋のダニやゴキブリ対策にもなりますね。リラックス効果がある香りなので、寝室に使うのもおすすめです。
ハッカ油&ヒバ油スプレーの注意点
シバンムシ対策としてのハッカ油とヒバ油の使い方を紹介してきましたが、使う上で注意することもいくつかあります。
ペットの生活圏には使わない
猫や鳥などのペットは、ハッカ油・ヒバ油の成分が身体に入ると、排出されず中毒症状を引き起こしてしまいます。ペットがいる空間では、精油を使用するのはやめましょう。皮膚からも吸収されるため、アロマディフューザーやスプレーもNGです。
素手で原液には触れない
ハッカ油の原液はとても刺激が強いので、取扱いには気を付けます。特に目などの粘膜に触れないように、スプレーした液で、ついうっかり目をこすってしまった……なんてことがないようにご注意を。ヒバ油に含まれるヒノキチオールにアレルギー反応が出る場合もあるため、ヒノキアレルギーを持つ人は避けた方がいいでしょう。
ハッカ油が付いた布を乾燥機にかけない
アロマオイルが付いた布を乾燥機にかけると、発火の可能性があることが報告されています。掃除などに使った布を乾かすときは乾燥機は使用せず、自然乾燥させます。
まとめ
ハッカ油にシバンムシが寄ってくるのか、ハッカ油を使いつつシバンムシ対策をする方法についてざっくりまとめると
- ハッカ油にシバンムシが寄ってくる科学的な根拠はない
- ハッカ油の香りが消えると、シバンムシはエサに寄ってきてしまう
- ハッカ油でシバンムシ対策をしたい場合は、ヒバ油と合わせるのがおすすめ
- スプレーや置き型芳香剤として使う
- ゴキブリや蟻、ダニ対策としてもヒバ油は使える
防虫対策として購入したものの、シバンムシ発生が怖くて使えない人は、ヒバ油を合わせて使うのがおすすめですよ!
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