水出し麦茶がまずいのはなぜ?水道水でもおいしく入れる方法を探ってみた

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水分補給が大切な夏、冷蔵庫に麦茶は欠かせないという家は多いのでは? 作っても作ってもすぐになくなるので、手軽でスピーディに作れる水出し麦茶はとても便利。でも、煮出して作った麦茶と比べ、どうも味が落ちると感じるんですよね……。

そこで今回は、水出しで作った麦茶がまずく感じる原因とその解消法についてリサーチ。

この記事では、

  • 煮出しと水出しはどう違う?
  • 水出し麦茶がまずい理由
  • まずい水出し麦茶をおいしくする方法
  • おいしい水出し麦茶の作り方
  • 水出し麦茶を作るときの注意点
  • 水出し麦茶の賞味期限

などについてまとめています。家で作る麦茶がおいしくないと感じた時は、参考にしてみてくださいね。

Contents

煮出しと水出しはどう違うの?

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)

麦茶の作り方は、大きく2つの作り方があるよ

煮出し麦茶は、沸騰したお湯に麦茶パックを入れて2~3分煮だして、原料である麦の成分を抽出させる方法です。焙煎した麦の香ばしさが出る半面、保存するために冷やす手間と時間がかかることがデメリットとして挙げられます。

一方、水出し麦茶は、冷たい水の中に麦茶パックをそのまま入れて、成分を水の中で抽出させる方法。ポットに水と麦茶パックを入れたら作る過程はおしまいです。飲みごろになるまで2時間ほどかかりますが、手間なくできるのが、何よりのメリットですよね。

また、今は水出しと煮出しの中間にあたる「お湯出し」という方法で麦茶を作る人も増えているようですよ。

水道水の麦茶がまずく感じられる理由

手軽で暑い夏でも加熱せずとも作れる水出し麦茶はとても便利。でも「煮出し麦茶と比べると、なんか物足りないなあ」と感じる人も多いのも確か。その理由について探ってみましょう。

カルキなど水道水特有の臭い

水出しに水道水を使っている場合は、水道水に使われている塩素(カルキ)の臭いが、まずく感じる原因かもしれません。漂白剤のような、消毒のような特有の臭いが、香ばしさなど麦茶特有の風味を邪魔してしまっている可能性もあります。

水道水のカルキ臭は、住んでいる地域や場所、水源などによってかなり違いがあるようですね。また、老朽化した給水管、年数の経ったマンションの貯水槽から給水される水道水は、カルキの臭いのほか、金属臭なども感じる場合もあるようです。

香り成分「アルキルピラジン」が煮出されない

麦茶特有の香ばしい香り!それは「アルキルピラジン」という香気成分によるものですが、加熱した方が活性化するという特徴があります。水出しだとその「アルキルピラジン」が煮出しよりも出ないんですね。

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)

「アルキルピラジン」なんだか呪文みたいな名前ね

麦茶パックの量が少ない

「薄い」「物足りない」という場合、麦茶ポットに入れた水の量に対して、麦茶パックの量が少ないという可能性も。

実は私、「1リットルの水につき1パック入れる」としている麦茶なのに、2リットル入りのポットに麦茶パックを1つだけ入れていた時期がありました。

使っていた麦茶パックの量が半分。それなら薄く感じるの当たり前だね

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)

味の薄さが気になる場合、パッケージ裏の麦茶の作り方をもう一度チェックしてみるといいかもしれません。

麦茶パックを入れっぱなしにしている

麦茶ポットにパックを入れ、2時間ほどしたら麦茶は飲みごろに。長時間入れておいた方が、より成分やうまみが抽出されるのではと思いがちですが、反対に入れっぱなしにしておくと、麦の雑味が出てしまいます。

また、麦茶パックに残っているでんぷんやタンパク質が雑菌のエサとなり、麦茶の変質を早めてしまうことも。2時間経ったら、早めに麦茶パックを引上げましょう。

好みの麦茶メーカーのものではなかった

単純に麦茶が好みの味ではなかったという可能性もあります。原料(小粒大麦、大粒大麦、はだか麦)や配合量によっても味は変わってくるので、違うメーカーの麦茶を試してみるといいかもしれません。水出しでもおいしく作れる水出し専用の麦茶も販売されていますよ。


作った水出し麦茶がおいしくない!どうしたらいい?

たっぷり作った水出し麦茶だけど、あまりおいしくない……。作ったばかりだし、捨てるのはもったいないという時、おいしくできる方法を紹介します。実際に試してみた感想も書いたので、参考にしてみて下さいね。

ただしこの方法は、雑味が出るなど、変質してしまった麦茶や、きついカルキ臭がある麦茶には向いていません。

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)

風味が足りない、何かコクが足りないという場合、試してみてね

インスタントコーヒーを入れる

NHKの「ためしてガッテン!」で紹介された方法。ちょっと風味が足りないという場合、インスタントコーヒーを麦茶に加えます。昔ながらの香ばしい麦茶の味が再現できるというテクニックです。

なんでインスタントコーヒーなの?

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)

麦茶とコーヒーは、同じ「焙煎」という過程を経て作られるもののため、親和性があるんだって

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作り方は、水出しした麦茶に、インスタントコーヒーをひとつまみ加えるだけ。水に溶けやすいスプレードライコーヒーの場合はそのまま、水に溶けにくいフリーズドライコーヒーの場合は少量の湯に溶かして麦茶に加えます。

飲んでみた感想としては…「ん?うん、なんだか香ばしくなったような…気がする…かも?」

劇的に香りがよくなったとは感じられませんでしたが、風味はアップしているような気がします。これは使うインスタントコーヒーにもよるかもしれません。香りがよいインスタントコーヒーで、さらに風味が飛んでいない開封したばかりのものを使うと、また違ってくるのかも。

煮出した麦茶を少し加える

マグカップに麦茶パックを入れ、約1カップの水を入れて、電子レンジ600wで2分加熱します。色がしっかり出て、香りが出ていたら、その濃い麦茶を香りの足りない水出し麦茶に加えます。

水出しでは出し切れなかった焙煎の香りを、お湯出しで補うという方法。マグカップは熱くなっているので、蒸らしを兼ねて1~2分置いておいてもOKです。

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)

うん、この状態でものすごく麦茶のいい香り!

こちらを加えてみたところ、うんうん!インスタントコーヒーよりも、麦茶の香りが際立っています。はるかに味が立体的になってておいしい!

ただ、これは麦茶パックを普通のレシピよりも1つ余分に使う方法なんですよね。香りを出すためとはいえ、ちょっと経済的ではないのがデメリットかも。

これから作る場合……おいしい水出し麦茶の作り方

水出し麦茶がおいしくない理由は、大きく「カルキ臭」「香り成分が出ない」「麦茶パックの量が適切でない」「麦茶パックを入れたままにしない」でした。特にポイントとなるのは「カルキ臭対策」「足りない香りを補う」。こうした原因をクリアして、水出しでも美味しい麦茶を作ってみましょう。

水道水対策~カルキをとばす~

水道水を使う場合、やかんや鍋に水を入れて沸騰させ、ふたをあけてそのまま3分加熱。煮沸によって、残っているカルキが揮発(蒸発)します。カルキ抜き機能のあるポットのお湯などを使ってもいいですね。

でも、熱湯を冷ます手間が面倒だなあ

おたま1号(助手)
おたま1号(助手)

冷ますための手間がネックという場合は、清潔な容器に水道水を入れて冷蔵庫の中に2~3日置き、カルキを抜くという方法もあります。でもこれも数日間かかるので、冷蔵庫にゆとりがないと厳しいかも。

水道水対策~浄水器を使う~

カルキを除去する機能がある浄水器を使うのもおすすめ。でも、カートリッジを長期間交換していない浄水器や、長時間使っていない浄水器の場合、内部に雑菌が溜まってしまっている可能性も……。

きちんとカートリッジを交換した浄水器を使い、しばらく使っていない場合は、30秒ほど水を流し、捨て水をしてから使います。

水道水対策~ミネラルウォーターやウォーターサーバーの水を使う~

カルキが含まれていないミネラルウォーターや、ウォーターサーバーの水を使い、水出し麦茶を作ります。

香り成分を出す~熱湯で浸した麦茶パックを使う~

器に麦茶パックを入れ、麦茶パックがひたるくらいの熱湯(50ml~100ml)を注ぎます。そのまま待つこと約1分。

香り成分が熱湯で引き出された麦茶パックの状態はこちら。1分ほどで、濃縮された麦茶液になっているのがわかりますか?これを水の中に入れて水出し麦茶を作ります。

飲んでみたところ、手間はわずか1分と普通に水出し麦茶を作るのとさほど時間は変わらないのに、しっかり香ばしさが引き出されている~!普通に水出しするよりも、はるかに美味しいです。煮出して作った麦茶に近い味だと思いました。これはおすすめ。

香り成分を出す~インスタントコーヒーを加える~

完成した水出し麦茶に、インスタントコーヒーをひとつまみプラス。フリーズドライ製法のコーヒーの場合は、少量の熱湯で溶いてから入れます。焙煎された麦茶の香ばしさが、コーヒーで再現されます。

おいしい水出し麦茶を作るために注意したいこと

そのほか、おいしい麦茶を作るために注意したい点を紹介します。

きれいな容器を使う

雑味の発生や味の変化は、麦茶に雑菌が増えてきたことによるもの。それを防ぐために、麦茶ポットはきれいに洗い、乾かした清潔なものを使います。汚れが付いた容器を使うと、その汚れが雑菌のエサになり麦茶の変質が早くなります。

Keroko(カエル母)
Keroko(カエル母)

容器を洗わずに、水と麦茶パックを継ぎ足して作るのもNG

常温で放置しない

ポットに水と麦茶パックを入れたら、すぐに冷蔵庫へ。常温で長時間放置すると雑菌が麦茶の中で繁殖してしまいます。特に30度超えの夏の常温は雑菌の繁殖にもってこいの温度なので要注意!

夏の水分補給の定番といったら「麦茶」。ポンと麦茶パックを水に入れるだけの水出しも手軽だし、やかんで煮出して作ると心なしか濃く感じられるし、風...

早めに飲み切る

カルキが抜けた水は、雑菌が増えやすいため、作った麦茶は3日以内に飲み切るようにします。3日以内でも、麦茶ポットが汚れていたり、冷蔵庫内が汚れていると麦茶が変質してしまうことも。

麦茶パックは清潔な場所で保存する

麦茶パックは、高温多湿・直射日光が当たらない場所で保存します。パッケージの袋を輪ゴムや洗濯バサミで簡単に閉じて保存すると、穀物を食べるダニが入りこんでしまう場合もあるため、密封容器やファスナー付き袋に入れて保存します。

麦茶パックを入れたままにしない

でんぷんなど栄養たっぷりの麦茶パックは、雑菌のエサになってしまうため、麦茶パックを水の中に入れたら、2時間ほどで取り出します。

まとめ

水出し麦茶がまずいと言われる理由はざっくり言うと

  • カルキの臭い
  • 香り成分が十分抽出されていない

よりおいしく作るには、それらの原因を防ぐために

水道水を煮沸などでカルキ抜きしたり、浄水器の水を使うようにします。香りを引き出すために、麦茶パックにひと工夫するのもおすすめですよ。

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