重曹とベーキングパウダーの違いを検証!代用できるか実際に作り比べた

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お菓子作りで、材料に「重曹」「ベーキングパウダー(BP)」と書かれてあるレシピ、よく見かけますよね。そこで以下のような疑問を感じたことはないでしょうか??

  • 同じように生地を膨らませる効果があるものなのに、レシピによって「重曹」「ベーキングパウダー」と違うのはなぜ?
  • 「重曹」「ベーキングパウダー」どちらかが手元にないとき、もう片方の方で代用することはできる?

この疑問を解消すべく、今回、私は重曹とベーキングパウダーの違いを調査!そして、具体的に仕上がりにどう差が付くのか気になったので、実際にさまざまなお菓子を、「重曹」「ベーキングパウダー」別で作り比べてみました^^

その結果、代用はできるものの、見た目や味にもかなり違いがあることが明らかに!それぞれに適したお菓子お菓子についても紹介しているので、参考にしてみてくださいね!

Contents

ベーキングパウダーと重曹の違いとは?

最初に重曹とベーキングパウダーの違いについてまとめてみます。

重曹とは

重曹の主成分は、「炭酸水素ナトリウム」(99%以上)。加熱したり、酸性の液体(レモン汁やヨーグルトなど)と混ぜると、炭酸ガスが発生するという特徴があります。特徴としては…

  • 加熱によって生まれた炭酸ガスで記事がふくらむ
  • 独特の香りや苦みが付く
  • 焼き色が濃くなる
  • 縦より横に膨らみが強く出る

重曹は、掃除用・食品用・工業用などありますが、お菓子作りに使うときは、「食品用」を使います。スーパーの食品コーナーや製菓コーナーのほか、今は100円ショップでも販売されていますよ!

■向いているお菓子
甘食、まんじゅう、ぼうろ、どらやきの皮、カルメ焼などの和菓子。ヨーグルトやレモンなど酸性の素材を使ったお菓子。

ベーキングパウダーとは

ベーキングパウダーは、重曹をベースに、「第一リン酸カルシウム」「コーンスターチ」などを加えた膨張剤です。

なぜ重曹だけでなく、他にも素材を入れるのか??

強引にまとめると「ふくらし粉としての重曹の弱点を補うため」。重曹だけ使うと、どうしても苦味や独特の香りが出てしまう。それをカバーするための成分があらかじめ配合されています。特徴は下記の通りです。

  • 仕上がりはふんわりしている
  • 仕上がりは無味無臭
  • 横よりも縦にふくらみが強く出る
■向いているお菓子
白く仕上げたいお菓子、ふんわりと仕上げたいシフォンケーキやスポンジケーキなど

■重曹とベーキングパウダーの違い

重曹ベーキングパウダー
黄色味が強い
焼き色が濃い
無色に仕上がる
香り独特の香りがあるなし
食感もちもちふんわり
適しているお菓子どらやきの皮、まんじゅう、カルメ焼など白く仕上げたいお菓子、シフォンケーキなど
価格100g159円(つけもと 重曹)100g230円(アイコク ベーキングパウダー)

重曹とベーキングパウダー 代用できる?

生地をふくらませる効果がある重曹とベーキングパウダー。同じような効果があるのだから、例えばベーキングパウダーを切らせてしまったとき、重曹で代用できないかと考える人もいるはず。実は私もそんな一人^^;

結論から言うと、重曹・ベーキングパウダーは代用できなくはないのですが、出来上がりの色や風味、食感が微妙に変わり、まったく同じ仕上がりにはなりません。

また、それぞれの成分や発生する炭酸ガスの量が違うため、同じ分量で置き換えることはできません。

代用する場合は

  • ベーキングパウダーを重曹で代用する場合はレシピの分量の1/2量
  • 重曹をベーキングパウダーで代用する場合は2倍量

を目安にするといいですよ!

■もしも同じ量で代用したらどうなるの?
結論から言いましょう。ベーキングパウダーの分量をそのまま重曹で置き換えると、「ものすご~~~く苦くなります」
私もその失敗をしましたが、その苦さときたら拷問レベル……。反対に、重曹の分量をそのままベーキングパウダーで置き換えると、ふくらみが悪くなります。

実際に代用できるか作り比べてみた!

重曹とベーキングパウダー、代用はできるものの、仕上がりに差ができる……。どのように差が出るのか気になった私は、実際に作ってみました!

重曹を使ったレシピの場合、ベーキングパウダーは2倍、反対にベーキングパウダーを使ったレシピの場合、重曹は1/2量にしています。

蒸しパン

おやつのほか、朝ごはんにもなる蒸しパン。画像左側が重曹を使った方、右側がベーキングパウダーを使った方です。

断面図。ベーキングパウダーの方がふくらみが良く、キメが整っていますね。

実際に食べてみると……。食感は重曹はもっちり、ベーキングパウダーはふんわり。くちどけはベーキングパウダーの方がいいですね。

重曹使用の方は、おまんじゅうのような、重曹の特有の香りがしますが、それはそれで和菓子っぽくて悪くないです。おばあちゃんちで食べる蒸しパンみたい!?

見た目がちょっと重曹の方が悪いですが、家でおやつとして作るなら、重曹でも十分だと思います。

  • 色がきれいに仕上がるのはベーキングパウダー
  • 重曹はまんじゅうのような香りがする
  • もっちりした重曹に比べ、ベーキングパウダーはふんわりした口当たり
  • ベーキングパウダーの方がくちどけがいい
  • 膨らみは、重曹が3.5センチ、ベーキングパウダーが4センチ

ホットケーキ

こちらもおやつの定番ホットケーキ。左がベーキングパウダー使用、右が重曹使用のものです。色は重曹使用の方がやや茶色いですが、焦げ目がついているのであまり差がわからないですね。

断面図。重曹の方が若干、色が黄色っぽいです。厚みもベーキングパウダーの方があります。

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実際に食べてみると、重曹の方はもっちり!ふんわりとろける派より、もっちり派のホットケーキが好きな方は、重曹使用がおすすめです。バターやはちみつともよく合いますよ。黒糖シロップとの相性もいいですね^^

また、重曹の方がやはり独特の風味があります。おやつに出してみたら子どもが

「どらやきの皮の味がする!!!~~~」と一言。

そこで試しに重曹使用のものにあんこをはさんでみました^^

あんこをはさんだら「どらやき」。重曹の香りは、和菓子を思い起こしますね^^

パクっとひと口頬張ってみたら、まさに「どらやき~~~!」。

ちなみに、ベーキングパウダー使用のものにあんこをはさんだものは、子ども曰く「ちょっと上品な感じ」だそう。

  • 重曹はどらやきの皮のような和菓子っぽい仕上がり
  • 食感は、重曹はもっちり、ベーキングパウダーはふんわり
  • 厚さは重曹は1.3ミリ、ベーキングパウダーは1.7ミリ

クッキー

クッキーの中には、ベーキングパウダーを使うレシピのものがありますね。左側のペアがベーキングパウダー、右側のペアが重曹です。んん?あまり色は変わらないです。

実際に食べてみると、重曹の方が特有の香りがほんの少しするかな?とは思いますが、気になるほどではありません。ココアを入れると、ココアの香りでマスキングされて、ほとんど香りは気にならないです。

  • 少し重曹の方が色が濃いが、気になるほどではない
  • ふくらみはほぼ同じ
  • ココアを入れると、重曹の香りもあまり気にならなくなる

カップケーキ

カップケーキやマフィンのレシピには、ベーキングパウダーを使うものが多いですね。

重曹で代用するとどうなるのでしょうか。左がベーキングパウダー、右が重曹使用のものです。重曹の方がゴツゴツした感じがします。

断面図。外側からではあまり色の違いがわかりませんが、切ってみると色が全然違いますね。重曹を入れた方が、かなり色が濃いです。キメもベーキングパウダー使用の方が細かいです。

食べてみます。うーん、やっぱり重曹の方は特有の香りがしますね。どこか、甘食を思い出させる味。悪くはないですが、洋風のカップケーキをイメージして食べると「ん?」となりますね。

でも家でのおやつでは十分アリだと思いますよ!

  • 色は重曹の方が濃い
  • 重曹使用の方は、特有の香りがする
  • ベーキングパウダーの方がキメが細かい

まんじゅう

次は黒糖を使ったまんじゅうを作ってみました。左がベーキングパウダー使用の方、右が重曹使用の方です。色はやっぱり、ベーキングパウダーの方が薄いですね。

断面図。切ってみると、あまり色の違いは感じませんが……。

実際に食べてみます。ベーキングパウダー使用の方はふんわり、対して重曹の方はおなじみのもっちりふわふわ食感です。

そして、食べているうちに、あの重曹の特有の香りが、まんじゅうになくてはならないのだと気づきました。「まんじゅう」をイメージしてベーキングパウダーの方を食べると、悪くはないのですが、何か物足りないんですよね。

おまんじゅうを作るときは、重曹はマストだと思います^^

  • 重曹の方が「まんじゅう」にぴったりな香り
  • ベーキングパウダーの方はふんわり、重曹の方はもっちりふんわり

■POINT
・重曹を使用したものは、特有の香りが出て、焼き色も濃い
・家庭で食べる分には、ベーキングパウダー→重曹の代用もできそう
・プレゼントでお菓子を作る場合、ベーキングパウダー→重曹の代用は避けたほうがいいかも

併用するレシピがあるのはなぜ?

ここまで、ベーキングパウダーと重曹を単品で使う場合の方法を紹介してきました。

でも、レシピの中には、重曹とベーキングパウダーを併用するものもありますよね。なぜ両方を使うのでしょうか? 調べたところ、併用には下記のような理由があることがわかりました。

  • 焼き色をしっかり付けたいとき
  • より生地をふくらませたいとき

重曹は焼き色を加える効果があります。焼き色を付けることを目的に、主にベーキングパウダーを使用する洋風お菓子に重曹を少しプラスすることもあります。

また、重曹は横、ベーキングパウダーは縦にふくらむ性質がありますが、両方を組み合わせることで、縦・横でふくらみ、仕上がりがボリュームアップします。

仕上がりに応じて、単品で使ったり、併用して効果をアップさせたりするようですね。

まとめ

重曹もベーキングパウダーも、作り比べてみるとそれぞれ違いがあることがわかりました。代用は家でのおやつでは十分だと思うので、うっかり切らせてしまったとき、使ってみてもいいと思います。

ただし、加える分量は注意してくださいね!

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