わさび醤油をつけて食べたり、サラダやディップにしたりと、いろいろな食べ方ができる「アボカド」。
でも、しっかり熟させたはずなのに、カットしたら「……あれ?固い?」ってことありませんか?追熟が必要と言われても、包丁入れてしまったし、すぐに食べたいという人もいるはず!
そこで今回は固いアボカドを、すぐにやわらかくする方法を探ってみました。その結果、特に特別な用具を使わなくても、5分以内で柔らかくする方法が見つかりましたよ!
これなら、うっかり固いアボカドを買ってしまっても、今日の食事の支度に間に合いそうです。よければ参考にしてみてくださいね。
Contents
アボカドを転がして柔らかくする
では、さっそく固いアボカドを柔らかくする方法を紹介します。試したのはこの2つ!
- アボカドを転がす
- 電子レンジで加熱する
まずは、アボカドを転がす方法から説明していきますね。
「えっ?転がしちゃうの?」なんて、まるで冗談みたいな方法ですが、これが目からウロコ的な方法。道具いらずですぐできるのでおすすめです。
今回使ったアボカドは、表面を触ってみると弾力がなく固いもの。ちょっぴり緑も残っています。
どのくらいの時間で柔らかくなるのか、時計も一緒に置いて検証みることにしました。
1.アボカドをテーブルや台など固いものの上に置く
アボカドを固い台の上などに置きます。
2.アボカドをゴロゴロと転がす
手のひらでアボカドを押して、ゴロゴロと転がします。
転がしているうち、だんだんと柔らかい部分が広くなっていきますが、まだ固い部分が残っています。その固い部分を狙ってゴロゴロと転がし続けます。
3.全体が柔らかくなったらできあがり
個体差があると思いますが、今回は5分弱、ゴロゴロとまんべんなく転がしていたら全体的に柔らかくなりました。押してみて、全体的に柔らかくなったらOKです。
柔らかくなったアボカドを、半分に切ってみました。皮と果肉の間にすき間ができています。
皮をむくと、皮にアボカドの緑の部分がペーストのようにはり付いていました。もったいないのでスプーンですくって食べてみます。
切り分けてみました。
わさび醤油をつけて食べてみます。
なんと!青臭さも固さも感じられず、なめらかで濃厚で、まさに熟成したアボカドと変わらない風味です!
表面がぼこぼこなので若干見た目は悪いですが、角切りにして使うサラダやポキ丼などなら、問題なく使えそうですよ。
■なぜ柔らかくなったの?
果肉を転がして力を加えることで、アボカドの細胞壁が壊れ、細胞と細胞の結合がゆるみます。その結果、固かった果肉が柔らかくなります。
まだ固いアボカドも、たたいてディップ状にすると食べやすくなるという話を聞いたことはないでしょうか?果物や野菜は、叩いたり押すなどの刺激で果実の細胞壁が壊れ、中のうまみ成分が細胞の外に出てきます。
今回も転がしたことが刺激となってうま味成分などが出るため、おいしく食べられるようになったのでしょう。
また、果肉が柔らかくなり、食感が変わるというのも味の変化に一役買っている可能性も。豊富な脂肪分が舌をコーティングし、青臭さを感じにくくしているのかもしれません。
電子レンジで加熱する
続いて、電子レンジで加熱するという方法です。これは、固いアボカドを柔らかくする方法としてよく知られていますよね。
1.アボカドを半分に切る
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2.お皿に伏せて、1個あたり600wで約1分弱加熱する
これが加熱が終わった状態です。かなり皮も熱くなっていますが、果肉は加熱前と変わっていませんね……。皮は加熱の効果なのかスルッと剥けます。
スライスします。先ほどの転がす方法と比べると、とてもきれいに見えますね。粗熱が取れるまで置いておきます。
わさび醤油をつけて食べてみると……。
柔らかいのですが、アボカドのさわやかでクリーミーな味わいは少し影をひそめ、その代わりになんだろう?どこかホクホクしています。
決して不味くはないですが、加熱しているからかフレッシュ感がない。ホクホクとしたお芋っぽい風味もします。
■なぜ柔らかくなったの?
果物の細胞壁は、主にセルロースとペクチン質でできていますが、加熱することによってペクチンが分解されます。そのため細胞壁がもろくなり、熟したときと同じような柔らかさになります。
今回は、レンジ加熱で細胞壁のペクチンが分解され、細胞壁が弱くなり、熟したときのような柔らかさになったのでしょう。でも、柔らかくなったとはいえ、熟しているわけではないので、完熟したアボカドの濃厚な味とは別物になっているようです。
電子レンジ加熱の場合、ホクホクした風味が出ます。そのため、生ではなく、思い切って加熱調理に切り替えるのもおすすめです。
チーズとともにパンの上にのせて焼いたり、炒め物にしたり、グラタンにしたりと、アボカドは加熱してもおいしく食べられますよ。
時間があるときは、家で追熟させてみる
ここまでは、未熟なアボカドをすぐにでも食べたいときの方法を紹介してきましたが、時間があるときは家でゆっくり追熟させておくのがおすすめです。テレビやネットでも追熟方法について公開されていますが、おさらいのために、ここでまとめておきます。
りんごやバナナと一緒にビニール袋に入れる
果物を熟成させるために必要なのが、植物の成熟を促す「エチレンガス」。これは果物自身からも発生しますが、中でも多いのはバナナやりんごなのだそう。バナナやりんごと一緒の袋に入れておくことで、未熟なアボカドを追熟させることができます。
ビニール袋や新聞紙で包む
りんごやバナナがないときは、アボカド単体で試してみても。エチレンガスは、アボカド自身からも出ています。ビニール袋や新聞紙でぴっちり包むことで、エチレンガスがアボカドの周りに満ちるので、成熟が促されます。
温度が高いところに置く
アボカドが最も熟しやすい温度は25℃と言われています。この温度を保てる場所にアボカドを置いておくと、自然に成熟が進みます。
ちなみに25℃の気温は1年の中でいつ頃かというと、春だと5月・6月、秋なら9月ごろなのだそう(気象庁のデータより)。この時期から室温に置いておいてもよさそうですね。
食べごろアボカドは見分けにくい!?茶色でも固いのはなぜ
固かったアボカドを柔らかくする方法を、「スピーディ」「のんびり追熟」の2つの方法で紹介してきました。しかし、なぜ食べごろと言われる「茶色い皮」のアボカドでも、固いものあるのでしょうか? その理由や、食べごろを見分ける簡単な方法をご紹介します。
茶色いのに、固いアボカドがあるのはなぜ?
一般的にアボカドの食べごろの目安としては
- 表面が黒みがかった深緑色になる
- 表面に弾力が出てくる
と言われていますが、中には色や固さにムラがあるものがあったりして、なかなか見分けづらいですよね。
今回のように、ちゃんと熟していると思ったら固いこともあるけれど、逆に待ちすぎて、いざ切ってみたら果肉が茶色く変色していた、なんて経験ないでしょうか。
なぜ食べごろを間違ってしまうのか? これはアボカドの皮の色づきと果肉の熟成にちょっとしたズレが生じることでおこるようです。
未熟なアボカドは緑色。でも、熟成する過程で、皮にポリフェノールの一種であるアントシアニンが合成され、黒っぽく変化します。
一般的に、果肉の熟成と平行してアントシアニンが合成されるようです。でも、中には果肉より少し先に、皮の方のアントシアニン合成が進んでしまうものもあるのだとか。
アボカドの食べごろポイントは?
アボカドは南国のフルーツ。そのため、日本で販売されているアボカドの多くは輸入なのだそう。
バナナやパイナップル、キウイフルーツなどは、まだ熟していないうちに収穫して日本に輸出されることが知られていますが、南国フルーツの仲間のアボカドも同じ。現地でまだ青いうちに収穫し、日本で追熟させます。
しっかり熟成させ、「食べごろ」になったものを販売しているスーパーもありますが、多くは固いままの状態で店頭に並びます。各家庭で追熟させ、食べごろを見極めるのが必要なんですね。
失敗しない食べごろの見極めとしては、「皮が茶色くなる」「触れると弾力がある」のほか、
- ヘタと果肉の間にすき間がある
- ヘタの付近が柔らかい
を目安にするといいそうですよ。参考にしてみてくださいね。
まとめ
固いアボカドを柔らかくする方法をご紹介しました。ぜひ試してほしいのが、転がす方法。アボカドを生で食べたい場合は、加熱よりもこちらの方が向いている気がします。子どもと一緒にゴロゴロとアボカドを転がしてみても楽しいかもしれません。
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