家の中にいつの間にか蟻が入ってきて困ったことはありませんか?特に食べ物が置いてあるキッチンに蟻が発生すると、これが厄介。パンや砂糖などに群がる様子にもゾゾッ!そこで料理を作るのも、気持ちがいいものではないですよね。
そんな蟻対策に有効なのが「ハッカ油」なのですが、ネットで調べると「逆に寄ってくる」「効果がない」という情報も。そこで今回は、蟻除けとハッカ油の関係についてリサーチ。
- ハッカ油は蟻対策に効果はないの?
- ハッカ油に蟻が寄ってくるって本当?
- 効果的にハッカ油を蟻対策に使うには
について調べてみました。「効果がない」と思われる理由や、効果的な使い方、他のアリ対策方法についてもまとめています。家の中に入ってくるアリを食い止めたい場合、参考にしてみてくださいね。
Contents
ハッカ油に蟻が寄ってくるって本当?
ネットで「蟻 ハッカ油」と検索すると、「効果ない」「寄ってくる」というワードが目立ちます。果たして、本当に蟻除けにはならないのか?結論から言うと
「ハッカ油は蟻除けに効果がある」
お、言い切ったね!
その理由は、蟻はハッカの臭いが嫌いだから。
蟻はエサを見つけると、「道しるべフェロモン」という匂い物質を分泌し、それに他のアリが引き寄せられて「蟻の行列」を作ります。この道しるべフェロモンの嗅ぎ分けは、蟻にとって食べ物を見つけるために、とても大事なものなんですね。
そんな匂いに敏感な蟻にとって、ハッカ油に含まれるスーッとする清涼&香り成分「メントール」はかなりの刺激。フェロモンの嗅ぎ分けができず、蟻も行列を作れなくなります。
さらにハッカ油には、虫が嫌がる成分「リモネン」、防虫剤にも使われている「シネオール」という成分も。蟻にとって苦手なものが多く含まれているので、基本的にハッカ油の香りがする場所には、寄りつきません。
そんな苦手な香りがいっぱいなのに、「蟻が寄ってくる」という話があるのはどうしてなのでしょうか。次はその理由について探っていきます。
ハッカ油に蟻が寄ってくる理由
蟻が苦手とするハッカ油。それなのに、「寄ってくる」と言われるのは、次のような理由が考えられます。
- ハッカ油の有効成分がすぐに揮発してしまった
- ハッカ油の濃度が薄い
- 劣化したハッカ油や、香りが抜けたハッカ油スプレーを使った
- 蟻のエサになるようなものが、ハッカ油の近くにある
- スプレー剤を作るときに、水道水を使ったから
- 使用するエタノールの種類が違うから
- ティッシュに染み込ませた場合、蟻はティッシュに寄ってくる習性があるから
考えられる理由が強い順に説明していきますね。
ハッカ油の有効成分がすぐに揮発してしまった
最も考えられる理由として大きいのが「香り成分がすぐに揮発してしまったから」。ハッカ油のスーッとする成分は、揮発しやすく、香りが持続しにくいという特徴があります。蟻除けのためにハッカ油スプレーを使ったり、来てほしくない場所をハッカ油で掃除したとしても、匂いがすぐに飛ぶので効果が長続きしにくいんです。
確かに、ハッカ油を使って掃除をしても、最初のうちは香りはするもののすぐに消えてしまうよね
香りは数時間は持続しますが、中には「1時間程度でなくなってしまった」という声も。ハッカ油で対策しても、すぐに元通りなので、結果的に「効果がない」「また寄ってきているように見える」となるのかもしれません。
ハッカ油の濃度が薄い
ハッカ油スプレーを作る時、その濃度が薄いと十分にその効果が感じることができません。香りが持続する時間も短いので、濃度が薄いと余計に香りがすぐに飛んでしまいます。
劣化したハッカ油や、香りが抜けたハッカ油スプレーを使った
ハッカ油を保管していた場所が悪かったり、適切に保管していなかった場合、ハッカ油が劣化している可能性もあります。消費期限は長いハッカ油ですが、蓋がゆるんでいたりすると、メントールなどの香り成分が少しずつ抜けてしまっていることも。
使用したのが、開封したてのハッカ油ではない場合、劣化している可能性もありそうです。
ハッカ油の近くに蟻のエサになるようなものがある
ハッカ油の香りはすぐになくなってしまうので、近くに蟻のエサになるようなものがあれば、ハッカ油の香りが抜けたころに再び匂いが強い食べ物に寄ってくる可能性もあります。
スプレー剤を作るときに、水道水を使ったから
スプレーを作る時に水を使いますが、精製水ではなく水道水を使うと、塩素の臭いがハッカ油の香りを邪魔するため、効果が薄くなるという意見もあるようです。
私は浄水器を通した水道水を使ってます。塩素の臭いは気にならないよ!
使用するエタノールの種類が違うから
ハッカ油スプレーを作る時、ハッカ油を水に溶かすために、無水エタノールを使います。しかし、それをエタノールの濃度が低い「消毒用エタノール」で代用すると、うまくハッカ油が溶けないのではという意見もありました。
ただ、私も消毒用エタノールを使う時もありますが、あまり効果の差は感じないです。レシピによっては、エタノールを使わず、直接水にハッカ油を入れるものもあるので、それほど気にする必要はないのでは?と個人的には思います。
ティッシュに染み込ませた場合、蟻はティッシュに寄ってくる習性があるから
中には、ハッカ油をティッシュなどに染み込ませて使っている人もいるようです。
家の中に入り込むルリアリという蟻は、木材パルプを主原料としたティッシュなどに群がる習性があります。もともと、枯れ木などの腐った部分に巣を作るという習性があるのですが、ティッシュなど薄い紙が一枚一枚重なっている状態が巣に適した環境と勘違いして、群がってくることもあります。
うちは、トイレットペーパーに蟻が寄ってきたことがあったよ
このように、ハッカ油が蟻除けに効かない理由が、いろいろと考えられますが、効かない原因はひとつではない可能性も。たとえば、下のようなことも考えられますね。
「ハッカ油の濃度が低い」→すぐに香りが消えて、近くの食べ物の臭いを嗅ぎつけて蟻が発生
「水やエタノールに問題があった」→十分に虫よけの有効成分を出すことができなかった
「ティッシュやトイレットペーパーに染み込ませた」→ティッシュやトイレットペーパーに寄ってきた
次はこの原因・理由を考慮しつつ、効果的にハッカ油で蟻除けする方法を紹介します。
蟻対策に効果が出るハッカ油の使い方は?
蟻が寄ってくる原因や理由を踏まえつつ、ちゃんと効果が出るハッカ油の使い方は4つ!
- 蟻のエサをしっかり取り去る
- 蟻の侵入経路を断つ
- 香りが長持ちする方法でハッカ油を使う
- 香りを染み込ませるためにティッシュは使わない
蟻のエサをしっかり取り去る
最初にすべきことは、砂糖やはちみつ、油、パンくず、食べこぼし、調味料など、蟻のエサとなる食べ物はしっかり取り去ること。台所の壁に飛び散った油やこぼれた調味料などもエサになるので、しっかり掃除をしておきます。
蟻の侵入経路を断つ
蟻がどこから侵入してくるのか場所を特定することも大切。侵入経路を断つことで、蟻がこれ以上中に入らないようにします。蟻の行列があったらそれをたどってみましょう。
窓やドアのすき間、通風孔、床下から……など、いろいろな経路があるよ
侵入経路がわからない場合、窓枠や通風孔など、考えられる場所に絞ってハッカ油を使います。
香りが長持ちする方法でハッカ油を使う
ハッカ油の弱点は、香りが長持ちしないこと。蟻対策で大事なのは「長期的にわたってハッカ油の匂いが残るようにすること」です。蟻が苦手な匂いを持続させるために、「ハッカ油スプレー」「ハッカ油芳香剤」のダブル使いがおすすめ!
ハッカ油スプレーと芳香剤の作り方と使い方を、順番に紹介していきますね。
■「ハッカ油スプレー」の作り方
<材料>
無水エタノール 10ml (消毒用エタノールで代用する場合は15ml程度にする)
ハッカ油 20滴~40滴
水90ml
スプレーボトル(ポリスチレン以外)
計量カップ
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使うスプレーボトルはポリスチレン製でないことの確認を。ポリスチレン製の場合、ハッカ油で溶けてしまう可能性もあります。
ダイソーで売ってるこのボトルはポリプロピレン樹脂なので使用OK!
計量カップに無水エタノールを入れ、ハッカ油を加えてよく混ぜます。この順番はとても大切。水→次にエタノール→ハッカ油 という順番だと、上手にハッカ油が混ざらないので、最初に無水エタノールとハッカ油を入れて下さいね。無水エタノールとハッカ油がよく混ざったら、水を加えます。これでハッカ油スプレーは完成!
<使い方>
蟻が侵入してくる場所や、出現する場所にハッカ油をスプレーするだけ。蟻が通った道には、仲間をおびき寄せるフェロモンが残っているのだそう。そのフェロモンの香りを消すために、蟻の通り道や蟻が群がっている場所にハッカ油スプレーをスプレーします。ウエスなどに染み込ませ、これまで蟻が出没した場所を拭いてもOKです。
ハッカ油の香りは揮発しやすいので、1~2時間おきにこまめにスプレーするのがポイント。また、ハッカ油は香りがなくなったら効果は半減してしまうので、スプレー自体の香りが弱くなってきたと感じたら、ハッカ油+無水エタノールを追加します。
ハッカ油スプレーは、蚊などの虫除けにもなります。蟻退治のあとにスプレーが余ってしまったら、蚊除けとして使うのもおすすめです。ただし、薄めずに原液のまま使用すると肌トラブルを起こす危険性があるので、必ず薄めてから使ってくださいね。
■ハッカ油入りの芳香剤の作り方
スプレーよりも香りが長続きする芳香剤で、蟻を寄せ付けないようにする方法です。ティッシュなどで代用すると、余計に蟻が寄ってきてしまう可能性があるため、重曹や使わなくなった保冷剤を使って作ります。
<材料 重曹バージョン>
・重曹
・ハッカ油
・お茶パック
<材料 保冷剤バージョン>
・不要になった保冷剤
・ハッカ油
・プリンカップやペットボトルキャップ
お茶パックで作る場合は、重曹にハッカ油を混ぜ、粉が飛び散らないように不織布でできたお茶パックに入れるだけ。
保冷剤で作る場合は、プリンカップやペットボトルキャップにジェル状に保冷剤を入れ、ハッカ油を上からたらせば出来上がりです。
蟻の侵入経路の入り口や、出現する場所に、ハッカ油入り芳香剤を置きます。香りが弱くなってきたら、再びハッカ油をたらして香りを強めましょう。
プリンカップやペットボトルキャップに入れた芳香剤は、置き場所に注意!子どもやペットの手に届く場所に置いておくと、間違って口にしてしまう危険性もあります。事故にならないよう、小さな子どもやペットがいる場合は、重曹を使うのがおすすめです。
ハッカ油を使った蟻対策の注意点
蟻対策としてのハッカ油の使い方を紹介してきましたが、使う上で注意することもいくつかあります。
・ペットの生活圏には使わない
猫や犬、鳥などのペットは、ハッカ油の成分が体内に入っても、排出することができず、中毒症状を引き起こしてしまいます。ペットがいる空間では、ハッカ油を使うのはやめましょう。
・素手で原液には触れない
ハッカ油は食品添加物になるほど安全性が高いものですが、原液はとても刺激が強いです。ハッカ油の取扱いには十分注意の上、スプレーや芳香剤を作ってくださいね。特に目などの粘膜にハッカ油が付くと危険。ハッカ油が付いた手で、うっかり目をこすってしまったということがないように、手袋をして作業してもいいかも。
・ハッカ油が付いた布を乾燥機にかけない
ハッカ油が付いた布を乾燥機にかけると、発火する危険性があることがわかっています。ハッカ油を掃除に使うのはいいのですが、布を洗って乾燥させる時は、乾燥機は使わず、自然に乾燥させるようにします。
それでも蟻が寄ってくる!そんな時は他の対策法を試してみても
ハッカ油で対策を続けているにも関わらず、蟻が一向に減らない場合もあるかもしれません。また、日に何度もスプレーするのが面倒と感じる人もいるのでは?そんな時は他の蟻対策を試してみるのもおすすめです。ハッカ油を使わないので、ペットがいる場合も安心して使えますね。
輪ゴムを置く
蟻はゴムの臭いが苦手ということが分かっています。輪ゴムの束を蟻の侵入経路や、出没する場所に置いておきます。ただし、家の中に入る「イエヒメアリ」は、ゴム製品の臭いを好む習性を持っているので、ゴムを使っても蟻の数が減らない場合は、違う方法を考えてもいいかもしれません。
ベビーパウダーを置く
蟻の通り道にベビーパウダーを巻くと、道しるべフェロモンを感知できなくなるため、蟻は行列を作ることができなくなります。
実は以前、ハッカ油を使う対策方法の前には、この方法で蟻対策をしており、この方法の効果は確認済み!でも、蟻を防ぐためとはいえ、家の中にベビーパウダーを撒くのは、見た目にもよくありませんでした……。キッチンでは使えないので、部屋に発生する場合におすすめです。
市販の蟻駆除剤を使う
ゴキブリやダニと同様、駆除剤も販売されています。「待ち伏せタイプ」「巣に持ち帰りタイプ」「置き型タイプ」「テープタイプ」といろいろ。手軽に手早く対策したい場合、市販の駆除剤を使ってもいいかもしれません。
まとめ
蟻がハッカ油に寄ってくるかについてざっくりまとめると
- 蟻はハッカ油が嫌いなので、基本的に寄ってこない
- 寄ってくると考えられる理由は「匂いが消える」「他のエサの臭いの方が強い」
- 効果的に使うには、ハッカ油の匂いが長続きするようにする
- それでも蟻が減らない場合は「輪ゴム」「ベビーパウダー」「駆除剤」を使う方法もある
普段、屋外にいる蟻が家の中でうろちょろしているのを見るのは、地味にストレスです。ハッカ油でいまいち効き目が感じられなかった場合、香りが長続きする方法で試してみてくださいね。
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