ホクホクと甘く、煮物や天ぷら、サラダにしてもおいしいかぼちゃ。加熱して食べるのが当たり前だとずっと思っていましたが、ある日、「かぼちゃは生で食べられる」という情報が耳に入ってきました。
え?かぼちゃは生だと硬いよ!?本当に生で食べられるの?
包丁を入れるのもひと苦労なほど、硬いものもあるかぼちゃ。あれが生で食べられるなんて、ちょっと信じられません。無理して食べて、おなかを壊すのは嫌ですよね……。
そこで今回は「かぼちゃは生で食べられるのか?」についてリサーチ。調べてみると、確かに「生で食べることができる」ということがわかりました。でもちょっと注意しなければならないことも……。
この記事では、
- かぼちゃは生で食べても大丈夫?
- なぜ「危険」「おなかを壊す」と言われるの?
- かぼちゃを生で食べるメリットって?
- 生食に向いているかぼちゃもある
- かぼちゃを生で食べるときの注意
についてまとめました。いつものかぼちゃ料理に飽きてしまって、たまには違った方法でかぼちゃを味わってみたい場合、参考にしてみてくださいね。
Contents
かぼちゃは生でも食べられる!
今回のお題「かぼちゃは生で食べられるのか?」。結論から言うと「食べられる」!
えっ!本当に生で食べられるんだ!?
スーパーでよく目にするかぼちゃの多くは、皮がでこぼこしておらず、つるんとした形の「西洋かぼちゃ」。こちら、煮物や天ぷらなど、加熱して調理するイメージが強いですが、実は生食も可能。毒性や危険性はなく、そのまま食べても体に影響はありません。
カボチャはウリ科の野菜。確かに同じウリ科の仲間には、スイカやキュウリ、メロンなど生食できるものも多いですよね。こうして考えると、「生で食べられる」というのもアリかなという気がします。
うーん、でも「かぼちゃ 生」で検索すると、「腹痛」「毒」「危険」などの言葉もちらほら出てくるよ
生でも食べても問題ないのに、こうしたワードが出てくるのはどうして?
「危険」「腹痛」という言葉が出てくるのは、カボチャの中に含まれる成分の特性にありそう。カボチャは他のウリ科の野菜と比べて、「でんぷん」が多く含まれています。ホクホクとした食感が持ち味のカボチャですが、それは「でんぷん」によるものなんです。
このでんぷんは、加熱して糊化(こか)されないと、体に吸収されにくいという特徴があります。煮物など火を通せばかぼちゃのでんぷんは体にスムーズに吸収されますが、生の状態だと消化されにくい。
健康な状態ならば、多少消化されにくいものを食べても問題ありませんが、体力が落ちている時や胃腸が弱い人、まだ消化機能が十分ではない小さな子どもや高齢者が食べた場合、消化不良となって「腹痛」「下痢」になる可能性もあります。
また、かぼちゃは種やワタの部分が傷みやすいもの。ワタも生でおいしく食べることができますが、傷んでいるのに気づかずに食べてしまって、おなかを壊してしまうことも考えられます。
こうしたことから、「生で食べると腹痛・下痢になる=危険」と捉える人も多いのかもしれませんね。
生のかぼちゃを食べるときの注意点は?
食べる時に十分気を付ければ、生食も全く問題ないかぼちゃ。ではどんな点に注意したらいいのでしょう。気を付けるポイントをまとめてみました。
かぼちゃは新鮮なものを使う
かぼちゃに限らず、野菜を生で食べる場合、大事なのは「新鮮かどうか」。
新鮮なかぼちゃの見分け方ってどうすればいいの?
新鮮なかぼちゃの選び方は下記のとおり!
・皮がしなびておらず硬い
・皮にツヤがある
・皮の緑色が濃い
・ずっしりと重い
・ワタがしっかり詰まっている(カットしている場合)
スーパーで並んでいる状態のかぼちゃなら、生食しても問題ない鮮度。ただ、購入後、自宅で保管していた場合、生食時に鮮度のチェックは大事です。特にワタや種の部分は傷みやすいので要注意!カットかぼちゃも、断面に雑菌が付きやすくなっています。
ちょっとでも不安に感じたら、潔く加熱調理に回しましょう
よく洗う
産地で泥や土などは洗浄されているとはいえ、流通の段階で多くの人の手に触れられることが多いかぼちゃ。意外と皮は汚れています。生で食べる場合は、流水でしっかり洗うようにしましょう。
生でも皮ごと食べられますが、抵抗ある場合は、薄く皮をむいてもOK。凹凸している部分の汚れは落としにくいので、たわしやスポンジでこすり洗いするのがおすすめです。
細く切るなどで消化しやすく
食感が楽しい生のかぼちゃ。こりこりした食感を楽しみたいからと、太すぎたり大きすぎる形にカットして食べるのは避けましょう。咀嚼を十分にしないまま飲み込んでしまうと、胃腸に負担がかかり、消化不良の原因に。食感が楽しめる程度の太さに切り、よく噛んで食べるようにします。
食べすぎに注意する
生食の場合、大量摂取には注意!たとえ健康な状態でも、生のでんぷんを大量に胃腸に多く送り込むと、うまく消化できず、腹痛や下痢などを起こしてしまうこともあります。
美味しいからと、大きめにカットした生かぼちゃを大量に食べる……は避けた方がよさそうです。
かぼちゃを生で食べることのメリットは?
かぼちゃの調理方法といったら、煮物に天ぷら、スープなど。定番は加熱料理ですが、生で食べることによるメリットはどのようなものなのでしょうか。
水溶性の栄養素をそのまま摂取できる
かぼちゃには、水溶性のビタミン(ビタミンC、ビタミンB)や、カリウムが含まれています。加熱調理をすると、ゆで汁や煮汁の中にその水溶性ビタミンが流出してしまいますが、生のままで食べれば、水に溶けだすこともなく、栄養素を効果的に摂取できます。
シャキシャキした食感が楽しめる
生で食べるカボチャは、シャキシャキ・コリコリした食感。煮物など、ホクホクしたカボチャとは、全く違う食感が楽しめます。
甘みが少ないのでさっぱりと食べられる
好きな人にとっては魅力的な”かぼちゃの甘さ”ですが、この甘さが苦手な人も多いのではないでしょうか。そんな人には、さっぱり食べられる生のかぼちゃがおすすめ。かぼちゃに含まれるでんぷんは、加熱によって甘みがアップしますが、生の状態で食べれば甘さはそれほど際立ちません。
このように、生で食べるメリットは、栄養素も効率的に摂取できることや、さっぱりした味わい、食感の楽しさが挙げられます。これまで、かぼちゃの甘さやホクホクした食感が苦手だった人も、生で食べたら、かぼちゃのおいしさにハマるかも!?
生食向きのかぼちゃとは?
スーパーで販売されているかぼちゃは、生でも食べられるものの、加熱して食べるのが一般的。でも、かぼちゃの中には、「生食用」に改良されているものもあるんです。次はこの「生食用」のかぼちゃについて紹介します。
コリンキー
西洋かぼちゃの一種で、生食用に改良されたもの。皮は黄色~オレンジ色で、実や皮は柔らか。水分が多くみずみずしいのも特徴です。サイズは500g~1kg程度と小さめです。
シャキシャキした食感と、クセのない味わいで、サラダにぴったり。生食だけでなく、煮物や炒め物、天ぷら、グリルなどの加熱調理も可能です。
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そうめんかぼちゃ
西洋カボチャの一種で、正式名称は「金糸瓜」。果肉が糸のようにほぐれるのが特徴です。その様が「そうめん」のように見えることから、「そうめんかぼちゃ」とも言われています。
「パスタ瓜」とも言われているんだって!
さっぱりとしたシャキシャキ感が特徴。茹でてから、ほぐして食べるのが一般的ですが、生のままマリネやぬか漬け、サラダなどにして食べる方法も人気です。
鈴かぼちゃ
ホクホクした食感と栗のような甘さが特徴のかぼちゃ「栗カボチャ」を、未熟な状態で収穫したのが「鈴かぼちゃ」。見た目は一般的なかぼちゃとほぼ同じです。
形も大きさも、坊ちゃんかぼちゃに似てます
成熟していない状態で収穫するため、水分量が多く皮や実も柔らか!実は未熟なこともあって、オレンジというよりも黄色みが強いです。食感はコリンキーと同様、シャキシャキ・コリコリしています。
生食専用のかぼちゃはどこで売ってる?
生食用に改良されたコリンキーやそうめんかぼちゃ、鈴かぼちゃの旬は夏。7~8月になると、おなじみの西洋カボチャの面々とともに、スーパーの店頭に並ぶことも!
珍しい品種なので、成城石井や紀ノ国屋などさぞ高級なスーパーで売っているものなのかと思いきや、私はなんと近所のヨークマートでコリンキーに遭遇しました。1個390円ナリ。
案外身近なスーパーで取り扱っていることもあるので、要チェックです。
道の駅などで、販売しているところもあるみたいだよ
おはようございます😊もっこりニラ入荷しています😆コリンキーは生で食べるんだよ!!食感はパリパリしてて美味しい😆ハロウィン用🎃の置き物もカワイイでしょ"(∩>ω<∩)"
— 道の駅 みなみかた もっこりの里 (@minamikata3111) September 11, 2023
#道の駅みなみかた #もっこりの里 #コリンキー #もっこりニラ #ハロウィン #秋の味覚 #置き物 pic.twitter.com/BI7XGJrOr3
#道の駅 木更津 #うまくたの里 より
— 木更津道の駅うまくたの里 (@m_kisarazu) July 19, 2022
おすすめ情報です!
見た目はかぼちゃ、
でも中身はそうめん?な#そうめんかぼちゃ が入荷しました!
シャキシャキ感が特徴で
クセのないお味なので、
サラダや和え物、酢の物などがおすすめです✨ pic.twitter.com/asK0AhgFpP
どうしてもスーパーで見つけられないという場合は、食材宅配の「Oisix(オイシックス)」や、「らでぃっしゅぼーや」などがおすすめ。夏季に限られますが、コリンキー、そうめんかぼちゃ、鈴かぼちゃ(カボッコリー)とも取り扱っています。夏季のおためしセットには、それらの生食かぼちゃが入っていることもあるようですよ。
楽天でも取り扱っていますが、送料がちょっと高めです。
生のかぼちゃにおすすめの食べ方
コリコリとした食感とさっぱり・クセのない味わいが特徴の生かぼちゃ。おすすめの食べ方はどんなものがあるでしょうか。次は実際に私が生で食べてみて、「これはおいしい!」と思った食べ方を紹介します。
かぼちゃのラぺ
キャロットラペのカボチャ版。細切りにして、塩・こしょう・オリーブオイル・酢・砂糖で調味します。塩で多少しんなりするので、コリコリした食感がありながら食べやすいです。にんじんで作るよりも、食感はしっかりしています。好みでクミンやレーズンをプラスしても。
サラダ
水分が多いので、シャキシャキな口当たり。細く切ってもいいですが、切るのも手間なので、ピーラーでリボンのように薄切りにして使うと手軽です。
ピクルス
きゅうり・プチトマト・パプリカなどの夏野菜とともに、ピクルス液に漬けます。にんじんに似たパリッとした歯ごたえで美味ししい!生のかぼちゃはクセがないので、にんじんの独特の青臭さが苦手な人でも食べられます。
まとめ
かぼちゃは生で食べられるか?についてざっくりまとめると
- かぼちゃは生で食べられる!
- 「腹痛」「危険」という言葉が多いのは、生のでんぷんが消化不良を引き起こす可能性があるため
- 胃腸が弱い人、消化機能が弱い小さな子どもや高齢者は特に注意
- 生食用のかぼちゃがある
- 生でおすすめの食べ方は、サラダやピクルスなど
旬は秋~冬ですが、1年中で回っているかぼちゃ。たまには「生」で食べてみては?
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