暑い夏に食べたくなるものの代表格が「カレー」。家で食べるだけでは飽き足らず、お弁当にも持って行きたくなりますよね。でも、気温や湿度が高い夏のカレー弁当は、食中毒などを起こすリスクが高まることから、注意が必要なのだそう。でもちょっとした工夫で、カレー弁当を持って行くこともできるんです!
今回の記事では
- カレーをお弁当に詰めるのがNGな理由とは
- それでもカレーを持って行きたい!そんな時にできること
- スープジャーにカレーを入れるのはアリ?
などについて紹介しています。「子どもにカレー弁当をリクエストされている」「職場や学校でカレー弁当を食べたい」という方は、参考にしてみてくださいね。
Contents
カレーをお弁当に詰めるのがNGな理由とは
子どもも大人も大好きなカレー。家で作るこだわりのカレーを、職場や学校で食べることができたら嬉しいですよね。でも、家で手作りしたカレーは夏の場合、作って半日ほどで食中毒のリスクがグンと高くなるんです。
その原因となるのが、土壌や水の中に存在し、健康な人間や動物・魚介類も保菌している「ウェルシュ菌」。カレーの材料である肉や魚介類、野菜などに付着しており、それが調理したカレーの中に残ります。ウェルシュ菌は100℃の熱にも耐えるという”芽胞”を作るので、加熱調理しても死滅しません。菌にとって好環境な45℃前後が長時間保たれると、驚くべきスピードで食中毒を発症するほどに増殖するのです。
どのくらいの時間、常温でカレーを放置したら食中毒を発症するレベルにまで菌が増えるのでしょう。
保管しておいた環境にもよりますが、気温が30℃を超えることも珍しくない夏なら、作って6時間ほどで食中毒リスクがレッドゾーンに突入。中には、作って2~3時間で菌が食中毒を引き起こすほど増えたという例もあるそう。
作って6時間っていうことは、朝作ったカレー弁当はお昼にはもうダメってこと?
特にお弁当の場合、お弁当箱の中に熱がこもったり蒸れることもありますね。職場や学校によっては、風通しの悪い場所や室温が高い場所にお弁当を保管せざるを得ないこともあり、菌の増殖にはもってこいの環境が整ってしまうことは珍しくありません。
気温が10℃以下の冬であれば、菌の増殖はそれほど心配する必要はありませんが、今はどこに行っても暖房が効いているので、菌が好む温度に知らぬうちに保たれていた……というのもありそう。
「気温が低いから絶対に大丈夫」と過信せず、用心した方がいいね
また、家で作るカレー弁当の多くは、前日に残ったカレーをおかずとして詰めるというのがよくあるパターン。作って時間が経ったカレーをお弁当箱に詰め、常温で置いておくというのも、食中毒になるリスクがグンと高まります。
家で作ったカレーがお弁当に適さない理由は以下のとおり
- 食中毒の原因になるウェルシュ菌が、常温で繁殖するため
- 30℃にもなる夏は、6時間で食中毒を発症するレベルにまで菌が増殖する
- お弁当は、「蒸れる」「熱がこもる」状態になりやすい
- 前日のカレーをお弁当のおかずとして持参する可能性が高いため
それでもカレー弁当は捨てがたい……という方に向けて、お弁当にカレーを持って行く方法について解説します。
それでもカレーが食べたい!安全にカレー弁当を持参するには
お弁当にカレーを持って行くのは適さないと解説しましたが、食中毒の原因となるウェルシュ菌の増殖を抑えたり、市販のアイテムを使ったり、作り方を変えるなどちょっとした工夫でお弁当にすることも可能です。
カレーを冷やして持っていく
作ったカレーを小分けして冷蔵・冷凍し、それをお弁当用に持参するという方法もあります。ただしこの場合、適切な方法で冷蔵・冷凍保存しておいたものを持参するようにしましょう。不適切な方法で保存したカレーの場合、温まる過程で菌が繁殖してしまう可能性もあります。
どんな方法で保存すればいいのかはこちら
お弁当を持ち運ぶときに大事なのが温度。食中毒の原因となるウェルシュ菌は12℃以上で活発化するので(最も増える温度は45℃前後)、10℃以下に保つことができるよう保冷剤などで冷やします。カレーはごはんとは別の容器に入れて持参しましょう。
冷たいまま食べることもできますが、カレールーに含まれている油脂が固まり、温かい時とは違ったざらざらした食感になることも。職場に電子レンジがあれば、温めて食べることができますね。
レトルトカレーやフリーズドライのカレーを持って行く
最も安全性が高いのは、レトルトのカレーやフリーズドライのカレーを持っていくこと。食べる直前に封を開けるので、保存している段階で菌が増殖したり、他の食中毒の原因菌が付いてしまうこともないので安心です。
一般的なレトルトカレーは常温で食べるのには不向きですが、お弁当用に常温で食べられるお弁当用のレトルトカレーが販売されています。
また、「やっぱり温かいカレーが食べたい」という人には、お湯を注ぐだけでできるフリーズドライのカレーが便利ですよ。
寝坊してお弁当のおかずを作る時間がない時にも使えそう!
ドライカレーにする
カレーの種類はさまざま。ごはんとルーで食べるカレーではなく、ひき肉とカレー粉を使ったドライカレーごはんはいかがでしょう。
カレー粉には殺菌効果があるスパイス・ターメリック(うこん)が入っているため、お弁当の菌の増殖も防ぎます。
カレー粉やターメリックは100円ショップでも売ってるよ
ひき肉、玉ねぎ・しょうが・にんにくのみじん切りを炒め、コンソメ、ケチャップ、しょうゆ、カレー粉を加えて炒めます。
カレー炒め弁当にする
スパイシーなカレー粉を使った肉野菜炒めもおすすめ。お肉とじゃがいも、かぼちゃ、にんじんなどの野菜を炒めて、カレー粉で風味を付けます。カレーライスとは趣は違いますが、辛くてごはんにぴったりなおかずです。
もやしやなすなど、水分が出る野菜は不向き
豚コマや豚バラ肉などの薄切り肉、ピーマン、かぼちゃ、にんじん、じゃがいもを炒めて、コンソメ、しょうゆ、カレー粉で味を調えます。
スープジャーで持参する
「やっぱりカレーは、あつあつのルーをごはんにかけて豪快に食べたい!」という人もいるはず。そんな方には、スープジャーでの持参がおすすめです。でも、保存の仕方に問題があると、スープジャーに入れたカレーが早い段階で傷んでしまうことも……。次の項ではスープジャーでカレーを持参するポイントについて説明しますね。
スープジャーでカレー持参は危険かも!?安全にカレー弁当を食べるには
スープジャーは保温性に優れ、長時間スープを温かい状態で保存できるのがメリット。でも見方を変えると、菌にとって都合のいい温度帯が長時間保たれてしまいやすいというデメリットもあります。不適切な状態でカレーを保存すると、カレーの変質が早くなり、食中毒の危険性が高まってしまうんです。
カレーを傷まないように持参するポイントを3つ紹介しますね。
スープジャーを保温しておく
ウェルシュ菌が繁殖しやすい温度は45℃前後。保温性が高いスープジャーに熱いカレーを入れても、5~6時間経過すると、菌が増殖してしまう温度まで下がってしまう可能性もあります。そうならないように、高温をキープするために、スープジャーの保温性を高めておく工夫が必要です。
カレーを入れる前に、空の状態のスープジャーに熱湯を入れ、容器を温めておきます。容器を温めず、冷たい状態で熱々のカレーを入れたとしても、容器の冷たさでカレーの温度が低下。5~6時間後には、菌の繁殖に都合のいい温度まで、カレーが冷えてしまっている場合も……。
容器の上までしっかりカレーを入れる
容器に空間が多いほど温度が下がり、細菌が増殖しやすい温度になってしまいます。熱々の状態のカレーを、容器の上の方までしっかり入れることも大事です。
カレーは当日作る、またはレトルトを使う
カレーは前日の残りを入れるのはNG!面倒でも朝作るようにした方が安全です。好みのレトルトカレーを温めて、それを入れてもいいですね。ウェルシュ菌は45℃前後で急激に増え始めるので、その温度に下がる前(約6時間程度)にカレーを食べるようにします。
一度口を付けたカレーは最後まで食べるようにするのも忘れずに。「時間がないので、あとで残りを食べよう」と、数時間後に残ったカレーを食べるというのも危険ですよ。
まとめ
お弁当にカレーを持参するときの注意点をざっくりまとめると
- 基本的に常温で持参するお弁当に家庭で作ったカレーは向かない
- 冷凍・冷蔵で冷やして持って行くという方法もある
- レトルトやフリーズドライの製品を持参するという方法もある
- ルータイプではなく、ドライカレーなどメニューを変更して持参する方法もあり
- スープジャーで持参できるが、温度が下がらない工夫が必要
カレーをお弁当に持っていきたいと考える方は、参考にしてみてくださいね
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