朝はやることが多くてバッタバタ!「炊飯器の保温スイッチをオフにしないで仕事に出てしまった」「保温スイッチは切ったものの、そのままごはんを入れっぱなしで外出してしまった」ということもあるのでは?
短時間の外出ならまだしも、仕事や外出が長引いて、長時間ごはんを炊飯器に入れっぱなしにしてしまうと、「これ、食べても大丈夫?」と心配になってしまうものです。
そこで今回は、炊飯器に入れっぱなしにしてしまったごはんについてリサーチ。
- 保温したごはんは、何時間まで大丈夫?
- 常温で放置しちゃった!何時間まで大丈夫?
- 朝炊いたご飯 夜まで保温はアリ?
- 保温でも腐る?長時間の保温や常温放置が危険な理由
- こんな状態になったら、ごはんは要注意
- 安心して食べることができる保存方法とは
について紹介しています。うっかりごはんを放置してしまいがちの方は、参考にしてみてくださいね。
Contents
常温放置したごはん、何時間まで大丈夫?
こちらは、保温スイッチを切ったまま炊飯器に入れっぱなしにしてしまい、5時間ほど経ったごはんです。
においは風味はあまり変わらなかったのでお昼にお茶漬けにして食べてしまったけど、大丈夫ですよね?
いやいやいや!実は保温スイッチを切って、蓋をしたままごはんを放置するって危険なんだって!
そうなんです。うっかり炊飯器の中にごはんを入れっぱなしにしてしまうことってありますが、保温が切れ、蓋が閉まった炊飯器の中は、雑菌にとって天国。繁殖に適した温度なんです。
もともとごはんには「セレウス菌(バチルス菌)」という食中毒の原因となる菌が付着しています。セレウス菌は増殖する過程で食中毒を引き起こす毒素を発生しますが、その繁殖に適した温度は28~35℃。蓋をしたままだと温度がなかなか下がらず、「数時間でも気付いたら食中毒になるほど増殖している」というケースもあるのだそう。
蓋を開けておけば大丈夫そうだけど……
蓋を開けて、濡れ布巾などで覆っておけば、炊飯器内の温度は下がるので、雑菌の繁殖スピードはゆるやかになります。でも、真夏の場合、留守中の家の室温は30℃以上になることもありますよね。やはりセレウス菌をはじめ、雑菌にとっては好ましい温度となるので、蓋を開けておいたとしても、長時間の常温保存は避けた方がベターです。
そんなに菌が増殖したごはんなら、見た目やにおいで「腐ってる」とわかりそうだよ
セレウス菌は増殖しても、見た目や臭い、味に変化がないのが怖いところ。変化がないだろうと判断して食べてしまい、症状が出るという例が多いそう。
セレウス菌による食中毒の症状は、下痢や嘔吐など。嘔吐の場合、食後30分~6時間、下痢の場合、6~15時間で症状が現れます。多くは重症化せず、1~2日で症状がおさまることがほとんどとのことですが、免疫力が低い小さな子どもや高齢者は、嘔吐・下痢による脱水症状を引き起こしてしまうことも……。
朝作ったお弁当は、お昼過ぎくらいまでなら、安心して食べられるイメージですよね。それと同じように、常温放置したごはんを安心して食べられる時間は、朝~お昼の5~6時間くらいと考えてよさそう。保温を切り、蓋をしたまま炊飯器の中に入れっぱなしにしたごはんは、もう少し早く食べるようにします。
常温保存はカレーも危険だから気を付けてね
保温したままのごはんは何時間まで大丈夫?
常温ではなく、炊飯器で保温したごはんは、どのくらいの時間持つのでしょうか。炊飯器のメーカーや機種によっても違いがあり、
・Panasonic……24時間以上の保温はしないでください
・HITACHI……高めの温度の保温設定は、12時間まで。 低めの温度の保温設定は24時間まで。機種によっては40時間まで。
・象印……40時間までおいしく保温できます
・シャープ……保温表示は12時間まで(それ以上も保温は続く)
となっていました。40時間と、1日半以上も保温できるものがあるとはびっくりですね。
メーカーは同じでも、機種が古いと、もっと保温が可能な時間は短くなるようです。
朝炊いたご飯 夜まで保温はアリ?
多くのメーカーが12~24時間は保温できるとしているので、朝に炊いたごはんをその日の夜に食べる分には問題ありません。メーカーによっては翌日、あるいは翌日の夜まで問題なく食べられるなんて便利ですが、これはあくまでも「食べても問題ない保温時間」。「おいしさが保たれる時間」とは違うんです。
保温して5~6時間を超えると、水分が抜けて食感がパサつき、口当たりも固くなります。見た目もツヤがなくなり、黄ばみも発生。炊き立てとは違う独特のにおいも出てきます。
保温していたのに、ごはんが腐ることもある?
メーカーによって異なりますが、炊飯器の保温の温度は約60℃~約75℃であることが多いようです。このくらい高温になると菌の繁殖の心配はなさそうですが、炊飯器の機能によっては、保温の温度をユーザーが設定できるものも。たとえば、セレウス菌の繁殖が可能な温度である50℃以下に設定していた場合、菌が増殖してしまい腐敗を招いてしまう可能性もあります。
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また、「冷めたごはんを、保温モードで温める」という使い方をしている場合は要注意!冷えたごはんの温度がなかなか上がり切らず、雑菌が繁殖してしまう温度に長時間保たれてしまうケースも考えられます。
一度炊いたごはんを、長時間手間いらず食べられるのは便利ですが、おいしさと腐敗を防ぐという意味では、保温も6時間を超えないようにしておくと安心ですね。
また、今はいろいろなメニュー作りに活用できる炊飯器ですが、保温できるのは、白いごはんだけ。炊き込みご飯などは、そのまま保温してしまうと、におい残りやお釜にサビが生えるなどの原因となることもあるので、炊きあがったら取り出して保存します。
腐敗!?こんなごはんに要注意
長時間、不適切な環境でごはんをお放置すると、セレウス菌だけでなく、他の雑菌まで繁殖してしまいます。セレウス菌が増殖してもにおいや見た目に変わりはありませんが、他の菌が増殖して腐敗が進むと、次のような状態になります。
- ぬるつきが出る
- 変な照りが出る(炊き立てごはんのツヤとは違う)
- 異臭がする
- ねばつきが出る
さらに腐敗が進むと……
- 糸を引く
さらに腐敗が進むと……
- くもの巣のような白いものが出る
- わたあめみたいなふわふわが出る
- カビが生える
- 赤や青などに変色する
さすがにここまでの状態になると、もう食べようとは思えないですよね。でも、腐敗の初期の初期は判断がなかなかつかないという人も多いはず。
ぬるつき、においなど「なんかいつもとは違うな」と少しでも感じた場合は、食べるのを避けた方が無難です。
炊いたごはんの保存方法
炊いたごはんを安心して食べきるには、「炊飯したものはすぐに食べる」「常温・保温で5~6時間以上放置しない」のが基本。食べきらずに余ったごはんは、味が落ちないうちに保存しましょう。
ごはんの保存は「冷蔵」「冷凍」で。特におすすめなのが、保存期間も長く、おいしさも保たれる「冷凍保存」です。
冷凍保存の方法
おいしさを保つためには、まだ熱い状態でごはんをラップに包むようにします。広げたラップに、1杯分のごはんを平らに置いて包みます。粗熱が取れたら冷凍庫に入れます。
ラップではなく、1杯分のごはんを入れられる容器も販売されているので、それを利用しても。
ごはんは温かい状態で冷凍庫に入れると、冷凍庫の温度が急激に上がり、他の食材の冷凍にも影響が及んでしまう可能性も。必ず粗熱が取るようにします。
凍るまでの時間を短くできるように、金属トレイなどにのせて冷凍するのもおすすめ!
冷凍保存する場合の日持ちは、だいたい3~4週間程度です。
冷蔵保存の場合
冷凍庫がいっぱいで冷凍できない場合は、冷蔵保存でもOK。ただ、お米のでんぷんの老化は、冷蔵の温度である2~3℃で起こりやすいため、味はかなり落ちてしまいます。
炊きたてのおいしさをキープするなら冷凍保存がおすすめ。冷蔵保存は、白米そのものの美味しさを味わうのではなく、チャーハンや雑炊などにリメイクする場合に向いています。
冷蔵保存する場合の日持ちは3日間ほど。あらかじめ、それ以上の保存になりそうだと判断できた場合は、潔よく冷凍保存した方がおいしく食べきることができそうです。
まとめ
ごはんを常温・保温で放置したときの注意をざっくりまとめると
・常温保存はセレウス菌の食中毒のリスクあり。炊飯器の蓋を閉めて保存すると、温度が雑菌の繁殖に適した温度に保たれてしまう。
・保温でおいしさを保てるのは5~6時間ほど。最大で40時間まで保存できる炊飯器もあるが、おいしく食べるためには、5~6時間までの保存にとどめておくのをおすすめ。
・炊飯後、残ったごはんは冷蔵・冷凍で保存。長持ちして味も変化がしにくい冷凍がおすすめ。
暑い時期は特に気を付けて保存するようにしたいですね。
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