子どもの時に食べていたお菓子や飲み物をふと思い出して、「もう一度食べてみたいなあ」なんて思うこと、ありますよね。人によって思い出の食べ物はさまざまですが、私の場合はアイスの「宝石箱」。
当時、カップアイスといえば50円のものが主流だった中、100円だった「宝石箱」は、お誕生日会などのイベントやごほうびなど、何か特別な時でなければ食べられなかった高級品でした。
私もほんの数回しか食べたことなかったなあ~
そこで今回はこの「宝石箱」が、今でも食べられるのかリサーチ。
- 「宝石箱」ってどんなアイス?
- 「宝石箱」は現在も売ってる?
- ネットで「宝石箱」が購入できるって本当?
- 再販や復刻販売の予定はある?
あの味を手軽に味わえるよう、「宝石箱」を再現したレシピも紹介します。アイスの「宝石箱」が気になる方はご覧くださいね。
Contents
雪印アイス「宝石箱」は、今も売ってる?
結論から言うと、2024年現在、アイス「宝石箱」は販売されていません。
販売していたのは、発売からわずか5年間。大人気だったのでもっと長い期間売っていたのかと思いきや、意外と短くてびっくり。
ファミマで昭和の復刻アイスが販売されていたよね?そこでも販売しなかったの?
すでに終売となっている商品が、コンビニなどで復刻販売されることもありますよね。ファミリーマートでも2022年12月、1980年代に大人気だったアイスを復刻販売したことがありました。でもそれは、ロッテの「クロキュラー」「アオキュラー」、フタバの「里のくり」。
残念ながら「宝石箱」の復刻販売はなかったんです。
【号外】今日からファミリーマート限定で昭和の名作アイス「クロキュラー」と「アオキュラー」が復刻発売されてまーす!12月13日(火)からは、あのフタバ「里のくり」も!やったー! pic.twitter.com/zrHSBcuxjL
— アイスマン (@iceman_ax) December 6, 2022
ネットで画像検索すると、プラ容器に入った今風のパッケージの「宝石箱」が出てくるよ。どこかで販売してるんじゃない?
それは2006年に実施された懸賞企画「復刻版・夢の『宝石箱』が当たる」キャンペーンの当選品。雪印「バニラバー 北海道(マルチ)」の当たり棒を集めて応募すると、抽選で1,000人に当たるというものでした。当選者は、あの「宝石箱」が味わうことができたんですね。うらやましい~!
昭和レトロが話題になることもあるし、復刻すれば大人気になると思うのですが……。「宝石箱」の復刻販売やキャンペーンに関する情報は、残念ながら今のところありません。
さて、そんなキャンペーンの当選品にもなるほど大人気だった「宝石箱」。次は具体的に「宝石箱」がどんなアイスだったのか紹介します。
商品の説明はいいから、再現レシピを早く知りたいという場合は下にスクロールしてくださいね。
伝説のアイス「宝石箱」とは?
「宝石箱」とは、昭和54年(1979年)に、雪印乳業が発売したカップアイスクリーム。
・販売……雪印乳業
・価格……100円(発売当初は120円)
・味……メロン、ストロベリー、オレンジ、チェリー、モカコーヒー、レモン、アップルカクテル
・販売期間……1978年~1983年
バニラアイスの中に、フルーツ風味の色付きの氷が混ざっており、フタを開けるとその氷がキラキラ。クリーミーなバニラアイスとシャリっとした氷の粒という2つの異なる食感が楽しめるのが新鮮でした。
ロッテの「爽」の氷の粒を大きくして、果実の風味を付けたというイメージかな?
フレーバーは販売当初、メロン(緑)、ストロベリー(赤)、オレンジ(やまぶき色)の3種類。後ほどチェリー(紫)、モカコーヒー(茶)、レモン(黄)、アップルカクテル(赤と緑のミックス)という4種類の味も加わり、全7フレーバーに。
価格は前述のとおり1個100円(発売初期は120円)でした。
1978年当時、駄菓子屋やスーパーで手軽に買えるカップアイス(今で例えると「エッセル スーパーカップ(ラクトアイス)」)の価格は50円。その倍の価格の「宝石箱」は超高級品でした。現在で言うと、1個300円以上のハーゲンダッツというイメージ?
パッケージは当時のカップアイスにしては斬新な四角! デザインも子どもっぽさが一切なく、メインに使われていた色は「黒」ですよ!これは、ベルベット張りの指輪ケースをイメージしたのかも。
商品名はアイスを一切イメージさせない漢字バリバリの「宝石箱」(しかも、書体は教科書によく使われる明朝体風)。加えて、CMキャラクターを務めていたのは、当時子どもたちに大人気だったピンクレディー(後に大地真央さん)でした。
これまでのアイスにはなかった
・高級感
・大人っぽさ
・ちょっとミステリアスな感じ
・ピンクレディー
というフルコンボで、子どもの心をつかんで離さなかったアイスが「宝石箱」だったんです。
アイス「宝石箱」を再現してみた
大人気だったアイス「宝石箱」ですが、1972年には終売してしまいます。今は入手は不可能ですが、何とかしてあの味わいを体験したいという人もいるのではないでしょうか。
そこで今回、アイス「宝石箱」の再現に挑戦してみました。完全に再現というわけにはいかなかったものの、なかなか近いものができましたよ。
試した作り方は「キャンディーを使う」「色付きの氷を使う」の2通り。どちらもなかなかの再現度でしたが、正直なところ、いまいちな点もありました。チャレンジする方は、好みのタイプの方でどうぞ♪
キャンディ―を使う「宝石箱」アイスの作り方
■材料
・バニラアイス
・フルーツキャンディ(いちご、メロン、オレンジ)
バニラアイス
アイスは、乳成分の多い順に、「アイスクリーム」「アイスミルク」「ラクトアイス」と分類され、価格も乳成分が多いほど高いのが一般的です。今回使ったのは、その中で乳脂肪分がもっとも多い「アイスクリーム」。
当時の「宝石箱」はというと、初期はアイスクリームで、後にアイスミルクに変更となりました。今回は初期の「宝石箱」の味に近づけるために、「アイスクリーム」を使用。でも、雰囲気だけ楽しみたいという場合は、スーパーカップなどのラクトアイスでも十分です。
アイスが硬いと作業しにくいので、作り始めるちょっと前から、室温に置いて作業しやすくしておきます。
フルーツキャンディ
フルーツ味のシンプルなキャンディを用意します。個人的に「宝石箱」では、ストロベリー味の印象がとても強かったので、いちご味の飴をチョイス。缶入りドロップはいろいろな味があるので便利かも。
キャンディはペンチなどで挟み、砕きます。大きすぎると噛みづらいので、1.5mm~3.5mmくらいの大きさがベスト。飴は割れるときにけっこう飛び散るので、ビニール袋などの中で砕くのがおすすめです。
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飛び散った飴は踏むと痛いし、ベタベタするよ
続いて、アイスクリームに砕いた飴を混ぜ込んでいきます。
まんべんなく混ざったら、あっというまに手作り「宝石箱」アイスの完成です。
さっそく食べてみましょう。スプーンですくうと……。飴の粒がキラキラ。そうそう!確かにこんな感じでした。
食べてみると、バニラアイスのなめらかな食感の中に、カリっとした飴の粒が。これも当時を思い出させる食感です。
うーん、でも氷の粒のようなシャリっと冷たい感じはないよ
確かに入っているのが飴なので、氷の粒という感じはないんですよね。ただ、キャンディーの効果か苺の風味もしっかりあるし、「なんちゃって宝石箱」としては十分アリだと思います。
ちなみにこちらはスーパーカップを使ったラクトアイスバージョン。さっぱりしていて、これはこれでおいしいです。アイスクリームではなく、ラクトアイスで手軽に作るのもおすすめですよ!
細かく砕いた飴は氷と似たような食感になるものの、溶けるまで時間がかかります。砕くと尖る部分が出てくるので、食べる際はしっかり噛み、尖った飴を丸飲みしないように気を付けてくださいね。
続いては、色付きの氷を使った宝石箱の作り方です。
色付きの氷を使った「宝石箱」の作り方
■材料
・バニラアイス
・食紅などで色を付けた氷
氷を練り込む方法は、とにかく「氷を溶かさないようにする」ことが大事。そのための注意点は下記のとおり。
・使うバニラアイスは、硬くて溶けにくい「アイスクリーム(ハーゲンダッツなど)」がおすすめ
・使うスプーンやトレイ、カップなどは、あらかじめ冷凍庫などでキンキンに冷やしておく
・室温も低くしておく
ちょっと手間だけど、作っていくよ!
最初に、食紅などで色を付けた水を凍らせて、中に練り込む氷を作ります。
凍らせる時は、ステンレストレイにラップを敷き、2~3mmと薄く水を伸ばしてから冷凍庫に入れるのがおすすめ。大きな氷の塊になると砕くとき大変なので、氷の粒が作りやすいように薄く凍らせるのがコツです。
色水が凍ったら、冷たいスプーンなどで砕きます。細かく砕きすぎると、混ぜる段階で溶けてしまうので、大きめに砕くのがポイント。砕いた氷をアイスの中に入れて混ぜれば完成です!
食べてみましょう。バニラアイスの中に冷たい氷の粒がガリッ!この食感、懐かしい~!「爽」よりも氷の粒の存在感があり、粒の大きさもバラバラなので食べていて楽しいです。
当時はこの食感、本当に新鮮だったなあ
……ん…しかし……食べているうちに氷が溶けてきて……。特に小さな氷の粒は溶けやすい!だんだんとマーブル状になってきます。
また、氷の食感は新鮮なのですが、単なる赤い色の色水を凍らせただけなので、残念ながら苺の風味はまったくなし。食感は再現できましたが、風味の点ではちょっと課題ありといったところです。
今回、2通りの「宝石箱」の作り方を試しました。それなりに近いものはできたものの、それぞれ一長一短がありました。ざっくりまとめてみると……。
- キャンディーを使った作り方……風味もあり手軽にできるが、氷の粒らしさはなし
- 氷を使った作り方……やや手間はかかるが、氷の粒は再現できた。でも氷に風味はなく、溶けやすい
キャンディーを使った方法は、材料も少なく手軽。とりあえず作ってみたいという場合は、キャンディーを使う方法がおすすめです。
「宝石箱」再現で注意したいこと
宝石箱の再現にはいくつか課題が残りました。そこで課題を解消すべくいろいろ試してみたのですが、失敗もいろいろと。ここでは再現で注意したいことを紹介します。
■砂糖が入ったシロップは、冷凍庫で凍らないので入れられない
「宝石箱」は、フルーツの香りの氷の粒入り。それを再現するため、かき氷用のシロップを凍らせようと冷凍庫に入れたのですが、砂糖が大量に入っているため、凍らせることはできませんでした。
シロップだけでなく、砂糖が入った氷はきれいに凍りません。氷を混ぜ込んで作る場合、風味は全然ありませんが、「水と食紅」だけで作った方がうまく作れます。
そのほか、シロップをゼラチンや寒天で固めてから凍らせる方法など試してみましたが、どれもいまいちでした。他にもいい方法が見つかったら、また公開していきますね♪
アイス「宝石箱」の類似品はないの?
再現レシピもいいけど、やっぱり売っているものが食べたいなあ
本家「宝石箱」はすでに販売終了なので入手できませんが、類似品が販売されていないか調べてみました。
以前は通販サイトなどで似たようなフルーツの氷の粒が入った商品が販売されていたのですが、今のところ、その類似品も販売終了しているようですね。
「宝石箱」を販売していた雪印乳業のアイスクリーム事業は、2002年にロッテスノー(現在のロッテアイス)に移行。ロッテアイスの看板商品には、同じように氷の粒が入った「爽」があるので、違う形でいつか「宝石箱」が復活するのに期待です。
まとめ
アイス「宝石箱」についてざっくりまとめると……。
- アイス「宝石箱」は、1978年~1983年に雪印乳業から販売されていた高級アイス
- アイス「宝石箱」は現在、販売されていない
- 復刻「宝石箱」が当たるキャンペーンが2002年に行われていた
- フルーツキャンディや凍らせた氷を使い、似たような食感のアイスは作れる
おやつの残りのフルーツキャンディが家にある場合は、味変感覚で「宝石箱」作りを楽しんでみるのもおすすめです。
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